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転ばぬ先のネット護身術【書評】小林直樹(著)『ソーシャルリスク』 日経BP社

おはようございます、朝起きて一番にFacebookのチェックをすることが日課になっている一龍(@ichiryuu)です。

今日は、SNSを利用している人なら必読の本をご紹介。
炎上する前に身につけておきたい「ネット護身術」です!

 

【目次】
はじめに
第1章 まず、先進企業に学ぶ
第2章 ソーシャルメディア・ルール 企業編 知っておきたい13項目
第3章 Q&Aで理解するソーシャルリスク
第4章 ソーシャルメディア・ルール 個人編 知らないと損する18項目
理解度チェックリスト
おわりに

【ポイント&レバレッジメモ】
★まず先進企業に学ぶ

 今後、モバイル&ソーシャル化への動きは、強まりこそすれ後戻りすることは考えにくい。企業は社員と自社ブランドを守るために、ソーシャルメディア・ルールを定めておきたいものである。
(例)「24時間、スリーエマーであるために」住友3Mの個人向けガイドライン
 こちらをクリック ⇒ 3M 個人向けソーシャルメディアガイドライン

■ ソーシャルメディア・ルール 企業編 知っておきたい13項目(抜粋)

★ルール6 「ステマ」という甘い蜜 欠かせざるは「関係性の明示」

 新商品の発売やリニューアルの際に、一般ブロガーを集めて、食品なら試食、AV(音響・映像)なら実機を操作・体感してもらうイベントを企画する企業が増えてきた。<中略>
 企業としてはぜひともよい記事を書いてほしいのだが、ブロガーに記述内容を強制したり、イベントに参加して試用・試食した事実を伏せて、さも自ら愛用しているかのように装わせることは、広義にやらせに属する行為だ。関係性の明示が欠かせないが、それが不透明だと手痛いしっぺ返しを食らう。<中略>
 ブログなどで商品を紹介する際、企業から商品を提供されて書いている旨をハッキリ記す、いわゆる「関係性の明示」は、企業がクチコミマーケティングを手がけるに当たって最重要キーワードの1つと言っていいだろう。

 

★ルール9 社長ツイッターは失言危機と隣り合わせ より 不祥事発生時にアナウンスしておきたい4項目

1 不祥事について代表者である自分が把握していること
2 被害者へのお詫び
3 心配をかけている消費者へのお詫び・心遣い
4 事実関係や今後の対応は、把握・決定次第、自社サイト上で公表

 この4点をツイートしておくだけでも真摯に向き合っている姿勢を示すことができる。

■Q&Aで理解するソーシャルリスク(抜粋)

★Q2 興味はあるが炎上が怖い そんな会社は手を出さないのが得策?

 現状、フェイスブックとツイッターを比較すると、実名制を原則とするフェイスブックの方が明らかに荒れにくいと言える。あくまで筆者の知る範囲だが、実際に国内でフェイスブックを舞台にした企業の炎上事件は皆無に等しい。<中略>
 従って、どうしても場が荒れるリスクを下げたければ、フェイスブックだけ開設する、あるいはツイッターはニュースリリースやお知らせを配信する一方通行型にして、フェイスブックをコミュニケーションの場にするのも手だ。

★Q4 有事のための「シャドーサイト」って何?

 現状こうしたページ(東京ドームのサイト内にある「安全への取り組み」を参照)を常設していない企業でも、やがて起きるかもしれない事態に備えて、有事対応の「シャドーサイト」を用意しておきたい。特にレイアウトや色使いが派手なエンターテインメント業界では必須ではなかろうか。不祥事ではなくても、東日本大震災のようなことに直面した際にも活用できる。

■ ソーシャルメディア・ルール 個人編 知らないと損する18項目(抜粋)

★ルール17 ソーシャルメディアはケンカする場所にあらず

 他の人の誤りを指摘するときには、前提として自分が投稿するにふさわしい内容である場合に限る。社内の他部署が管轄する内容についてあやふやな知識で語るのは危険だ。自分の管轄外の案件で自社に関する誤認や中傷を見かけたら、上司や社内の危機管理部門および当該部署にまず一報を。
 対応を誤って中傷合戦になってしまうと、どこからともなく野次馬が群がってきて、ツイートまとめサービスの「Yogetter」や「NAVERまとめ」といったキュレーションサービス上にケンカの一部始終をまとめられてしまうことがある。

★ルール24 ツイッター鍵付き(非公開モード)でも投稿画像も非公開とは限らない

 米沢さん(元AKB)は決して無防備なままツイートしていたわけではない。承認したフォロワー以外には投稿が非公開になる「鍵付き」設定にしていた。鍵付きならば、発言が検索に引っかかることはなく、公式RT(転送)されることもないため、安心感がある。
 だが、写真投稿は話が別だ。彼女が写真投稿に利用していた「yfrog」や「twitpic」といったサードパーティーの写真共有サービスは、鍵付きアカウントから投稿しても、写真までは鍵がかからず公開状態になってしまう。

【感想など】

個人的には一時期のツイッター熱は冷めてしまって、フェイスブックをメインのSNSとして使う用になりましたし、世間的にもツイッターからフェイスブックへという動きを感じています。

が、やはり何かあったときのツイッターの爆発力は驚異的。
フェイスブックの比ではありません。

しかも最近のツイッターは2ちゃんねる化してきた雰囲気もあります。

それに、もはやSNSがある生活となって随分時間が経って、いい加減どんな内容をツイートすると炎上トラブルになるかも学習してきているはずなのに、SNSでの不用意な発言が原因のトラブルも後を絶ちません。

先日もギリシアのオリンピック選手が人種差別的な発言をツイートしてオリンピックを追放されるという事件があったばかりです。

なんでこんなツイートする人がいるんですかね。

個人でも企業でも、結局最後に行き着くのは“個人の資質”だからでしょうか。

よく、普段はすごく紳士淑女なのに、アルコールが入ると人が変わるという人がいるじゃないですか。
アルコールで気持ちが大きくなり、つい本音の部分とか根っこの部分が表に出てきてしまう人。

ツイッターでの失言をみていると、それと同じものを感じます。

現実の世界の社会や人付き合いのルールと、ネットの世界でのそれとが、その人の中で違っているんじゃないかなと思ってしまいます。

ツイッターのタイムラインには文字がザーッと流れているだけなので、そう勘違いしてしまうのも無理はありませんが、けっして仮想空間ではありません。

現実感がなくても現実のコミュニケーションの場です。

しかも、酒の席での失態は、日本では大目に見てくれる風潮がありますが、ネットの世界はそうはいきません。
ご丁寧に、いちいち関連ツイートをまとめてくれる、見ず知らずの親切な方まで多数存在します。

今回本書を読んで、強く実感したのは、SNSでのマナーやルールは現実の社会での人付き合いで気をつけるべきこととまったく同じということ。

例えば、この記事では企業のSNSガイドラインの例として住友3Mさんの個人向けガイドラインのリンクを貼っておりますが、読んでもらうとわかるとおり、至極当たり前のことばかりです。

これって企業人として、実際のビジネス現場で教えられなくてもわかっていること、守っていることですよね。

特別なことは何一つなく、すべて常識の範囲と言えます。
つまり、現実社会で「これはちょっと言ったらマズイかな」とか、「これは守秘義務だな」といったものを仮想空間にも適用するだけ。

また、企業の事故や不祥事への対応も、現実と基本同じです。
Tシャツ、短パン姿で謝罪会見しないのと同じで、それなりの体裁の謝罪のためのサイトを用意する。

なにも難しく考えることはないように思います。

さて、個人の利用者として、あるいはブロガーとして勉強になったのが「ステマ」関連の話。

当ブログも気をつけないといけないなぁ、と。
ワタクシとしては献本していただいた本は、紹介記事でその旨を絶対書くようにしております。

また、献本していただいても正直言って「これは内容的にちょっとなぁ」という本については、スルーして、けっして批判記事は書かないようにしています(たまーにあるのですが・・・)。

ということで、幸いまだ炎上経験はありません。

しかし、これに関しては明日は我が身。
注意するに越したことはありません。

まだまだSNSは過渡期。
過渡期には色々失敗をして経験値を積み上げていくものですが、できれば痛い目に遭わず、そしてよい環境にSNSをユーザーである我々が育てていきたいですね。

もはやSNSのない社会には後戻りすることはありませんから。

本書は日経BP社、東城様より献本していただきました。
ありがとうございました。

【関連書籍】
こちらもぜひお読みください。

参考記事

 

www.s-ichiryuu.com

 

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