世界の博物館、第50号は世界の天文・宇宙博物館です。
いよいよこのシリーズも最終号となりました。
そして、最終号にふさわしい「未来へと続く宇宙開発の最前線」を体験できる3つの博物館が紹介されています。
【今号の一押し】
今号では、アメリカはヒューストンにあるヒューストン宇宙センター、日本のつくばにある筑波宇宙センター、そしてイギリスはロンドンにあるグリニッジ天文台の3つの施設を紹介しています。
この中で最もワタクシの目を引いたのはこちら。
ヒューストン宇宙センターの有料の「トラム・ツアー」に参加すると進行中のミッションの管制センターも見れるそうです。
なかでもこのアポロ計画当時のまま保存されているコントロールルームは必見。
アポロ11号の月面着陸をはじめ、数々の人類史上に残るドラマの舞台となった場所です。
数々の名ドラマの中でも、人類の知恵と勇気を知らしめたのはアポロ13号でしょう。
トム・ハンクス主演で映画になったアポロ13号の事故。
映画に登場する本物のコントロールセンターがそのまま残っているなんて驚きです。
また、さすがは宇宙開発をリードしてきたアメリカ。
ロケットにしても訓練用のシャトルにしても、本物が展示されているのはアメリカならではでしょうね。
さて、本書の巻末にはヴェルナー・フォン・ブラウンを紹介するページがあります。
彼こそアメリカのロケット開発に多大な貢献をし、アポロ計画を成功させた立役者なのですが、実は彼の前歴はナチスドイツでV2ロケットを開発した技術者なのです。
第2次世界大戦でロケットが実用化され、ソ連との冷戦と軍拡競争でロケット技術が発展した。
人類の技術革新は常に戦争と表裏一体なのですね。
今号をもって「世界の博物館」シリーズは終了です。
1年以上にわたって楽しませてくれたシリーズが終わってしまうのは寂しいのですが、こういった分冊百科事典タイプでワタクシの興味を引くようなシリーズが始まったら、また紹介したいと思います。