<楽天ブックスはコチラ> 『なぜ桃太郎はキビ団子ひとつで仲間を増やせるのか?』
モノが売れない時代。
みなさん売るために四苦八苦されていることと思います。ただ、こんな時代にも繁盛している会社や店はあるんですよね。
そうなるためのヒント満載の本書。
そして極めつけの秘策は意外や意外・・・。
【目次】
はじめに
第1章 現代人は物を買うんじゃない!物語を買うんだ!
第2章 素晴らしいストーリーで成功している会社 事例集
第3章 桃太郎戦略のストーリーのつくり方
第4章 ストーリーの伝え方とウェブ戦略
第5章 ストーリーで、もっと日本を楽しくしよう
あとがき
【ポイント&レバレッジメモ】
★現代人が欲しいものとは
消費者の購買への意識が変わってきたわけですが、では、現代人が求めているもの、現代人が欲しがるものとは、そもそも何でしょうか?
それは物質的な”物”ではありません。端的に言えば、「自分は必要とされている、認められている、人とつながっていいる」という実感を求めているのです。多くの人が、誰かの役に立ち、「ありがとう」と言われたいと思っています。それが現代人の”生きる目的”になっていると言っても過言ではありません。
★「物語に参加できる」+「社会の役に立っている実感が得られる」ビジネス
現代人が欲しいものは、「自分は必要とされている」という”生きている実感”です。誰かほかの人の役に立って「ありがとう」と言われたいのです。そのため、参加する物語は、社会の役に立っているという実感を得やすい物語のほうがよいのです。これからの時代は、このような「社会の役に立っている」という実感を与えてくれる商品や会社が大きな成長を果たす時代となるでしょう。
つまり「物語に参加できる=人とつながることができる」+「社会の役に立っている実感が得られる」ビジネスやサービスが21世紀最強のビジネスとなるのです。
★「No.1=オンリー1」を目指す
このような場所(ライバルが少なく、自分のスタイルやキャラクターにあっており、一貫して継続することができるポジション)を見つけたら、そのポジションでNo.1を目指します。それはすなわち”オンリー1”になるということです。No.1とオンリー1とは違うと思われるかもしれませんが、「自分に合っているスタイル、かつ、ほかに抜きん出た人がいない」というポジションでNo.1になれば、それは、他人からはオンリー1と認識されるのです。すなわちブランディングなのです。
では、どうすれば、そのポジションでNo.1になれるのでしょうか?
そのためには、あなたの事業を、より”フォーカス”する必要があります。フォーカスとは、「自分の強み・特長をいかすことのできる1つの事業や商品に集中すること」です。
★No.1取るためにはポジショニング・マップそのものを見直す
もし今、「性能×価格」のようなオーソドックスな競争軸のポジショニング・マップ上で戦略を立てているのなら、まずは、その競争軸そのものを見直すことです。小さな会社が、性能や価格で勝負しようとしても、抜きん出た存在になってお客様の記憶に残ることはまず不可能なのです。
★「ヒーローズ・ジャーニー」をビジネスに応用しよう
1.目標を掲げて何かを始める
2.挫折・葛藤がある
3.乗り越えるきっかけができてブレイク・スルー
4.徐々にうまくいき宝得る
5.さらに高い志を持ち、次の旅へ向う
★ワンコンセプトしか伝わらない
重要なことは、お客様の記憶に残ることです。つまり、まずは自分たちのサービスや商品が、お客様に「伝わる」ことなのです。どんなにいい志も、どんなにいいビジョンも、どんなにいい商品も、どんなに素晴らしいスタッフがいても、お客様に伝わらなければ、ないのと同じだということです。したがって、「いかに伝えるか」が最も大切なことになります。そのためのポイントは、「シンプルにする」ということです。
いくつもの物語を用意するのではなくて、まずは1本だけ、わかりやすいストーリーを用意してください。<中略>情報は減らすことが重要です。和菓子やいけばなの世界に「引き算の美学」という言葉があるように、無駄なものを取り除いて、本当に大切なものを浮かび上がらせるのです。
★ビジネスにはもっとユーモアがあっていい
日本は不況真っ只中です。しかし、こんな時代だからこそ、ビジネスにもっとユーモアを入れていきませんか?どうせえ真面目にやっても売れないなら(笑)、もっと楽しんでビジネスをしましょう。なぜ、そう思うのか?それは私が楽しんでビジネスをやることの素晴らしさを知っているからです。
★ハンディキャップを逆手にとる
簡単に儲かって、それが長期間続くビジネスなどないのです。だとするならば、私たちは本当に自分が達成したい物語に挑戦するべきです。「どんなビジネスが簡単に儲かるか?」ではなく、「どうやって、いい物語をつくるか?」を中心に考えたほうが、結果的には、ビジネスを長期間にわたって成功させられると、私は考えています。
【感想など】
表紙がビジネス書にしては少々ふざけた(?)デザインなので、ファーストインプレッションこそ「この本だいじょうぶかな?」といった感じだったのですが、すいません、御見それいたしました。
まぁ、なんで桃太郎?なのかは、「桃太郎戦略」が本書のキモの部分なので、ネタバレ自重のため割愛させていただきますが、外見とはちがって、しっかりマーケティングの基本を押さえた内容の本でした。
ただ、しっかり基本を押さえているので正直に言うと、“ストーリー”云々にしても“ポジショニング”の話にしても、すでに他書で読んだことがある内容で、それほど目新しさは感じませんでした。
しかし、そんな中でも「おっ、これは!」と思ったものがいくつか。
そのうちの一つが、“ポジショニング・マップを変える”というもの。
すなわち“軸を変える”ことでポジショニング・マップそのものを変えてしまい、新たなマップ上でポジショニングするという考え方。
これはやられたなぁ。
ワタクシ、いわゆるブルーオーシャン戦略というのは隙間を探して見つけるものだと思っていましたが、新たなフィールドを自分で作ればいいんですね。
そしてもう一つが“ユーモア”、この視点は無かったなぁ。
著者の岩崎聖侍氏が代表を勤める株式会社FreeLifeコンサルティングのHPをご覧いただければわかると思いますが、はっきり言ってふざけてます(笑)。
お客様に楽しんでいただくための仕掛けがいろいろとされているそうです。
特に極めつけは岩崎氏自ら出演しているYouTube画像、「ことわ侍」。
ここまでしていいの?ってぐらいふざけてます。
でも楽しいですよ。
“ユーモア”はポジショニングの軸としてかなり効果的なんじゃないでしょうか。
意外にユーモアを軸の一つに据えている会社ってありませんし。
それに、会社の雰囲気って案外お客様に伝わるものですよね。
それは商品名であったり(小林製薬とか)、あるいはCM(例えばソフトバンクなんてお父さんが犬ですからね)。
本書にも書かれているように、現代は安くて高機能だけではモノが売れない時代。
同じような値段と性能の商品であったら、商品を選ぶ最終的な決め手は“ブランド力”なのだろうと思いますが、ユーモアをブランドにするという手もこれからは大いにありかと本書を読んで思いました。
よし、このブログももっともっとふざけてやっていくことにするか!
あっ、誤解のないように付け加えておくと、著者の岩崎氏は自分自身に
「楽な道」より「困難な道」、「正しい道」より「楽しい道」
というルールを課している熱い人ですので、けして「ことわ侍」のイメージが真の姿ではないですよ。
お間違えなく。
なお、本書後半ではツイッターやFacebookといった最新のソーシャルメディアを使ったWebマーケティングについても解説していますので、そちらの方面に興味のある方も一読される価値ありかと。
本書は株式会社FreeLifeコンサルティングの池上清子様より献本していただきました。
ありがとうございました。
【関連書籍】
一龍さま
この度は、拙著をお読みいただき、本当にありがとうございます。
また、書評まで書いていただき、感謝感激です。
これからも、みなさまと一緒に、日本に一つでも多くの、笑顔になる物語を増やしたいと思っています。
何とぞ、よろしくお願いします。
いつも、ありがとうございます。