大震災で愛する人を亡くした方、被災していないのに大きなショックを受けたままの方、いまなお日本全体が大きな悲しみに覆われています。
しかし生きている我々は前へ進まなければなりません。
その後押しをしてくれる本をご紹介。
【目次】
はじめに
第1章 くじけない毎日のために
第2章 本当の成功って
第3章 つい立ち止りそうになったら
第4章 働く覚悟
第5章 将来が不安になったら
第6章 こんなはずじゃなかった・・・と思った時に
第7章 本当の幸せって
あとがき 7年越しのありがとう
【ポイント&レバレッジメモ】
★「7つの約束」
①笑顔のプロになろう
②素直になろう
③感謝のプロになろう
④いつも、半歩先の思いやりを大切に
⑤時間活用のプロになろう
⑥それでも、とにかく働きなさい
⑦くじけないプロになろう
いま、懸命に仕事をしているあなたは「笑顔のプロになろう」「素直になろう」と言うメッセージを聞かされても、「何をいまさら」と感じるかもしれません。でも、私がくじけずに環境の変化と向き合い、乗り越えられたのは、間違いなく、自分が立ち戻ることのできるこの「軸」があったからです。
簡単なことだからこそ、揺るぎない軸になり、揺るぎない軸があれば、他人と比べずに自分らしくいることができます。そして、自分らしくいられることが、結局はくじけずに物事に取り組むための土台になっていったのです。
★くじけず歩んでいる人は成功ではなく成長を目指す
「成功は人と自分を比べているもので、成長は今の自分と未来の自分を比べているんですよね。人と私は違うのだから、誰かをうらやみ、誰かの成功法を真似しても苦しいだけ。そんなことに気づきました」(臼井さんのセミナーを受講したKさん)
人と比べるから苦しくなる。大切なのは、昨日の自分より今日の自分が成長していること。少しずつ変化して殻を破れば、成功は自然とついて来るものなのです。
★臼井式、悩みの輪から脱け出す方法
・1日の終わりにゆっくりできる場所で一人になること。
・その日にあった「いいこと」と「悪いこと」を整理すること。
・昨日より今日、自分の中でできたこと、よくなっていたことを探すこと。
★それでも今日も、あなたのお店のシャッターを上げ続けなさい
健康に仕事ができる体があるのに、怠けてしまうのは、回り回って自分が生きていることを放棄する行いなのではないでしょうか。
「仕事=お金を儲け」と考えれば、働く必要のない人もいるかもしれません。
でも、「仕事=人の役に立ち、喜びを感じること」と考えれば、それには一生手放したくない価値のある行いです。
★動機善なりや私心なかりしか
「儲」という字は、「信じる」という言葉と「者」でできています。つまり、「信者」という言葉です。
改めて考えてみると、私が求めていた成長は、自分を好きでいてくれる方が増えて行くことで実現するものだと気づきました。信者をつくるというととても聞こえが悪いですが、大きく成長できる人は、先輩に引っ張られ、後輩から押し上げられる人です。これは本当に難しいこと。ならば、そこまで「その人に仕える」と言うことを強烈に意識し続けることが必要です。
その時に役立つのが「『儲かる』というのは、人に喜ばれること――『自分の信者となっていただけるほど人に仕える』という意識」です。儲かるというのは、その結果にしかすぎません。人に喜ばれない人は、決して儲けることはできないということです。そして、何かの選択に迷ったとき、自分自身に「動機善なりや、私心なかりしか」と問いかけるということもまた重要です。<中略>その結果出てきた答えが、今後何よりも、あなたを助ける何ものにも勝る正しい答えになるのです。
★1円玉を磨きなさい
お金から楽になりたいって言う人ほど、お金の価値について考えてないし、1円玉を磨きなさいと言っても、なかなか磨くことはありません。お金の心配から解放されるためには、それはもう強烈な我慢や創意工夫が必要です。それはもちろん一朝一夕にできることではありません。だからこそ、常に、お金の価値について真剣に考え、向き合い続けることが大切なのです。
私にとっては、その意識の始まりの第一歩目が「1円玉を磨く」と言うことだったのです。私はいまだに、1円玉を磨くたびに、お札の向きを揃える度に、お金の本当の価値について思い出すようにしているのです。
★一日一生 後悔しないで生きる
「時は金なり」と言いますが、私は「時は命なり」と考えています。時はお金以上の価値があって尊いものだと考えているのです。お金は無くしても、浪費しても、必死で働けば手に入れることができます。なくしても戻したり、増やすことができるのです。
しかし、時を失えば二度と戻すことはできません。<中略>
時間泥棒は今ある時間を盗み、さらに将来の可能性も盗んでいくのです。つまり、時間泥棒は、あなたの大切な時間を2回も盗んでいく存在なのです。
★1日12褒め
自分を褒めるのが苦手だった私は、「1日12回褒める」というテーマを立てたことがあります。
3回は、思いつくまま、褒めたいことを、褒めたいままに。
3回は、仕事に関して。
3回は、家族や周囲の人を。
3回は、自分を褒める。
これで「1日12褒め」です。これ、実行してみると、いかにそれまでの自分が周りを褒めず、自分を褒めずに毎日を送っていたかよくわかります。また、周囲の人から褒められることがいかに少ないのかもわかります。<中略>
実は、自分褒めの習慣をくり返していると、周囲の人への褒め言葉も自然と出てくるようになります。なぜなら、美点を探す観察眼がついてくるからです。すると、相手の気持ちを察する力が生まれてきて、先回りをしてサービスすることができるようになります。「半歩先の思いやり」を持てるようになるのです。
つまり、「1日12回褒め」はサービス精神を育むためのトレーニングでもあります。自分へのサービス精神を磨くと、自然と人へのサービス精神も育まれていくわけです。そして、サービス精神が旺盛な人は、自分自身にも踏ん張りが利くし、まわりの人にも喜んでもらえることで、成長曲線の角度がぐんと高くなっていきます。そのためにも、まず自分を褒めることを始めてみましょう。
一日一生。1日1日を丁寧に、後悔しないで生きる。
【感想など】
この本は、著者の臼井由妃さんが、3月11日の東日本大震災以来、被災地ばかりでなく、日本中が落ち込んでいる状態を感じ、
進めていた企画や原稿を捨て、何かに突き動かされるように、毎日、毎日、この原稿に向き合い続け
完成させた作品です。
ワタクシも含めて多くの日本人が、そう、頑張らなければならない被災者ではない人までもがショック状態になっている中、臼井さんも当初は立ちすくむしかできない状態だったそうです。
しかし、
くじけそうになっている人が、心を整え、「もう一度」前に進むための本を書かなければいけない!私は動かなければならない!
と決心し、行動に移していく。
本当に臼井さんの強さに感心させられます。
ところで、この行動に移せる人と移せない人の違いはどこから来るのでしょう。
やはりそれは、臼井さんが壮絶な人生を体験していることに由来しているのは間違いないと思います。
古代インドにおいて、いみじくもお釈迦様は「生きることは苦しみだ」と説きました。
でも、ワタクシはこの考え方が嫌いです。
そりゃたしかに古代インドは現代よりずっと不便で危険で、生きること自体が大変なことだったでしょう。
それに比べて現代を生きるワタクシ達は、いわばぬるま湯の中で生きているようなものですよ。
しかしだとしても「生きることは苦しみだけ」だとは思いたくないのです。
生きていれば楽しいことはいっぱいありますからね。
ただ、同時に、いつの時代であろうとも変わらない“苦しみ”や“悲しみ”があることは否定しません。
その最たるものが次の二つではないでしょうか。
すなわち
自分の死、自分の命に限りがあるということに直面させられること。
そして
自分が愛する人との死別。
の二つだと思うのです。
このうち、ワタクシは大きな病気をした時に、自分の死と向き合う経験はしました。
その恐怖感たるや、とても言葉では表せません。
そして、幸いなことに、最愛の人との死別はまだ経験がありません。
ですが本書を読んでいて、もしかすると自分が死ぬことよりも愛する人と永遠の別れをすることの方がずっと“苦しみ”、“悲しい”ことなのではないかと思いました。
で、気がついたのですが、臼井ご夫妻はこの人間の最大の苦しみや悲しみである二つを、ご夫婦で背負っていらしたんだと。
しかも会社の再建という大荷物までしょい込んで。
そんな極限の苦しみ、悲しみの中で、旦那様が提案した「7つの約束」。
本当に素敵じゃないですか。
ぜひ日本中のみなさんに実践してもらいたい。
命には限りがある。
いつか愛する人との別れが来る。
だからこそ、いい笑顔で、素直な気持ちで感謝し、そしてしなやかにくじけない強さを持って生きて行きましょうよ。
命をいただいているものは、くじけず投げ出さず、どんな時でも踏ん張り続ける義務があります。それがなくなった方々への思いやりであり、生きるということです。
愛する人を失った被災者の方々へ、そしてすべての日本人へ。
本書は株式会社スタジオビビの乙丸益伸様より献本していただきました。
ありがとうございました。
【追伸】
それにしても臼井さんの旦那様、素敵な方ですね。
こんどお会いしたときは、どんな方だったのかお話聞かせていただきたいです。