昨年大ブレークしたニュータイプのソーシャルネットワークサービス、ツイッター。
その火付け役となったのがツイッター熟年アイドル(?)の勝間和代さんと広瀬香美さん。
本書はこのお二人が書いたツイッター入門書。
正月2日、2010年の書評初めはこの本からいきたいと思います。!
【目次】
はじめに―――勝間和代
1時間目 広瀬香美が教える ツイッターを始めよう!
2時間目 勝間和代のソーシャルコミュニケーション論 ツイッターは「つながり」の何を変えるのか?
3時間目 勝間和代が教える! ツイッター・使いこなしの10ステップ〈初級編〉
4時間目 勝間和代が教える! ツイッター・使いこなしの10ステップ〈中級編〉
5時間目 対談:広瀬香美×勝間和代 ツイッター、いったいどこが面白いの!?
6時間目 特別対談:ビズ・ストーン×勝間和代 創業者にツイッターの展望をきく&サンフランシスコ本社訪問レポート
付録1 ツイッターをもっと楽しむガジェットのご紹介
付録2 みんなで歌おう! ビバ☆ヒウィッヒヒー
付録3 人気ツイッターアカウント一覧
【ポイント&レバレッジメモ】
★ツイッター
◇ツイッターの特徴3つ
①「非常に手軽に、自分の言いたい事や情報を発信できる」
②「リアルタイムで流れている」「フロー型」のメディア
③世界中の人と「ゆるくつながる」ことができる
◇ツイッターは拘束感の少ないコミュニケーションがしたいというニーズに対して、ぴったりとはまるツール
★ツイッターは、「140文字の言葉」ですべてを統合する
たとえば、ユーチューブは映像を媒介にして、フリッカーは写真を通じて、それぞれ人をつなぎます。ブログは、自分の記事を通じて、人をつなぎます。人力検索サイトは、質問を媒介に人をつなぎます。そして、ツイッターは「140文字の言葉」で人をつないでいるわけです。
<中略>私は、ツイッターが140文字にすべてを標準化してつぶやき合える機能を担っていることを、「コミュニケーションのパケット化」と呼んでいます。
インターネットは、すべての情報をパケット化することにより世界中での情報共有を可能にしました。ツイッターが革新的だったのは、その情報をさらに「140文字の言葉」にパケット化して、ひとつのプラットフォームに乗せて、それをみんなで交換できるようにしたということなのです。
★ツイッターの持っている課題
①楽しむにはある程度のITリテラシーが必要
②意外と難しいコミュニケーション
③類似競合サービスがすでにたくさんある
★ツイッターはテレビや新聞、雑誌といったメディアをゆるくつなぐ軸になる可能性がある
★友達を増やしたい人はこうする
①とにかく発言する
②RTされたり、お気に入り(Favorite)にされる発言をめざす
③ツイッター以外の場所(ブログや他のメディア)などでもIDを人に知らせる
④自己紹介をきちんと書く
●対談:広瀬香美×勝間和代 ツイッター、いったいどこが面白いの!? より
◇「ツイッターのルールは、人に訊くこと」って、最初に一行書いてあればいいのにね。(広瀬)
◇ツイッターは人の善意を引き出すメディア(勝間)
◇自己承認欲求ですね。自己承認欲求と他人に対して親切にしたい欲求。ツイッターのタイムラインには、この二つが絶妙に混じり合っているんです。(勝間)
◇彼女の口調でわーって話されると、最初の3秒ぐらいしか頭に入ってこないんですね(爆笑)。でもツイッターだと140文字なので、ゆっくり読んで、ゆっくり返すことができて、やっと和代ちゃんが何を言ってるか分かってきた(笑)。
●特別対談:ビズ・ストーン×勝間和代 創業者にツイッターの展望をきく より
★なぜ、140文字なのか
制限があるものは、むしろユーザーにとって良いことだと思います。私たちが採択した考え方は、「シンプルだからこそユーザーは創造的になるし、単純なフォーマットの面白い活用法を考えだすのだ」というものです。(ストーン)
★「テクノロジーの勝利」ではなく「人間性の勝利」
私たちがここ数年で学んだのは、いかに技術が進歩しようとも、どれだけネットワークに機械を導入しようとも、「テクノロジーの勝利」にはならないということです。人類の偉業や、人々がツイッターで成し遂げるであろうこと、実際に災害時や政治的行事の際にツイッターが果たしてきた素晴らしい役割を考えると、(ツイッターの成功は)「人間の勝利」なのです。(ストーン)
★オープンな情報交換が世界をより良くする
情報を自由かつオープンに共有することで、自分の文化や問題に詳しくなることができます。それによって、お互いの問題にもっとかかわり合い、お互いの気持ちをわかり合い、お互いの立場を理解し、他人の人生はどのようなものかを理解することができます。
そして、みんながこのように共感するようになると、世界が小さな場所となります。みんなが地球市民だということに気づくからです。そして、それを通して、より賢くなり、人類として進歩し、お互いを競争相手としてみるのをやめ、ともに力を合わせていくことができます。
【感想など】
ツイッターの日本語版サービスが始まったのは2008年4月。
ワタクシがその存在を知ったのは小山龍介さんの
を読んだ時(2008年の秋頃)でした。
その時の正直な感想は、「何が面白いの?自分にはいらんなぁ」でした。
基本的にスマイルシグナルさんとヒトミシリーズを結成するぐらい人見知りのワタクシ。
自分がブログをやってるくせに、他人のブログにコメントすることもあまりせず、ミクシ―にいたってはお誘いを受けても「面倒くさいから」の一点張りで頑なに拒否してきました。
そんなワタクシが「ツイッターやってみようかな」と思いだしたきっかけがまたもや勝間和代さん。
本書でも2009年7月の勝間さんがガンガンツイッターをやり始めたころのことを書いていますが、その頃の勝間さんのブログがツイッター一色だったんです。
で、自称カツマーのはしくれのワタクシも「iPhoneはツイッターとの相性が良い」というのも聞いてたし、無料なんだからとりあえず試してみて面白くなければ止めればいいやぐらいの気持ちで始めてみました。
そしたら・・・
見事にはまりました!
最初、勝間kazuyo_kさんをフォローして、勝間さんがフォローしてる人をたどって著者さんや編集者さんや書評ブロガーさんをフォローしていったんですが、ほどなく勝間さんにフォローされ(この時は本当に驚いた!)、関西のブロガー仲間のスマイルシグナルsmilesignalさんがワタクシを見つけてくれたりと、言葉は悪いけど芋づる式に「つながる」範囲が広がって行きました。
でもね、しばらくは本当の面白さはわからなかったんです。
だいたいメールですら面倒くさいワタクシですから。
それが夢中になりだしたのはフォロワーが500人越えたあたりから。
ワタクシが感じるツイッターの一番の魅力を本書で広瀬さんがこう表現してくれています。
つながっている感じを実感できることが本当に励みになるし、自信につながっています。
そう、ある程度フォロワーが増えると自分のつぶやきに反応が返ってきてつながってる感を感じるようになるんです。
そしてこれが実にうれしい。
ブログにいただくコメントももちろん嬉しいのですが、ツイッターの反応の速さは大きな魅力ですね。
また、ブログでは訊けないようなことを訊けたり、思いもしなかった嬉しいコメントをいただいたり。
例えば、
御著書を献本していただき、当ブログで紹介したことがきっかけでツイッター上で仲良くさせていただいている
の著者、上村敏彦Toshi_Kamimuraさんがワタクシの書評に対してこういう呟きをしてくださいました。
@ichiryuu さんの書評は、本に対する愛情がにじみ出てて、すごくすきです。上から目線でもなく、きちんと本と向き合ってくれているように思います。書評家のなかでも稀有な人だと思いますよ。それがみんなに伝わっているはず。
文章はごまかしがききませんから。多くの書評家はある段階から本と向き合うよりもマーケティングを考えてしまうように思いますが、@ichiryuu さんはそれが感じられません。
マーケティングが悪いわけではありませんし、必要なことです。しかし、著者としても、読者としても、純粋に本と向き合ってくれる書評家がいることはとてもありがたいことだと思うのです。
もう嬉しくて涙が出そうでした。
書評ブロガーって一人で本を読んで、一人で記事を書く、孤独な作業が淡々と続いていくので、自分の書評に対する評価ってよくわからないものなんです。
どんな人が読んで、どんなふうに感じているのか、知りたくてもなかなか訊けない。
それが、こういうふうに言ってもらえるとAmazonアソシエイトで何億冊売り上げるよりも数千倍うれしいですね。(←やっぱりマーケティングを考えていない。)
ちなみに上村敏彦さんは2010年にビジネス書界で大ブレイクする作家さんだとワタクシはにらんでおります(お世辞じゃないですよ)。
さて、ここまで読んで
「ツイッターってなんだか楽しそう」と思われたあなた。
本書で勝間さんが「楽しむにはある程度のITリテラシーが必要」と書いていますが、そんなことはありません。簡単ですよ。
ITリテラシーなんて皆無なオッサンのワタクシが楽しんでるぐらいですから大丈夫。
(♯の使い方をこの本を読んでようやくわかったぐらいですから 恥)
もし不安だったら世に出ているツイッター本の中で一番やさしいのが本書ですから、一読してください。
この本のツイッター使いこなしのページはすごく薄い!それだけツイッターを始めるのは簡単ということです。
しかもツイッターは無料のサービス。
やってみて損はありません。
続けているうちに思いがけないつながりが出来上がっていきますしね。
新しいことを始めるのに一番いいタイミングがお正月。
あなたも140文字の世界でつながってみませんか?
追伸:ワタクシのツイッターユーザー名はichiryuu
URLは http://twitter.com/ichiryuu です。
左上のツイッターブログパーツからも入れます。
お気軽にフォローしてみてください。商業用・宣伝用とか全然つぶやいてない方とか怪しい方?じゃない限りフォロー返ししますので、一緒に楽しみましょう。
蛇足:本書p43 Favotterの画面の中にワタクシのアイコンが写っております。ツイってる!
【管理人の独り言】
年末にすっぽん料理を食べに行ったのですが、食べる前にちょっと不安だったのでそのことをツイッターでつぶやいたら、恋愛詩人の西田庸子 iiparaさんがツイッターですっぽん料理を食べたことがある人に感想を求めてくれました。
そしたら即座に数名が返信してくれました。
わからないことを訊けて、また親切に返してくれる。
これもツイッターの魅力です。
ちなみに食べたすっぽんがこちら
事前に情報をいただいたおかげでおくすることなく食べることができました。
ありがとうございました。