本書はツイッター献本 #kenpon 第2弾!
テレビ番組制作者が書いた、“テレビで取り上げてもらうための虎の巻”。
濃い~です。めちゃ濃い~です。
各社、広報さんは必読、必携の専門書でございます。
【目次】
はじめに
プレスリリースで心のスイッチを押す方法
第1章テレビ番組はこうして作られる
第2章リリースを書く前に考えること
第3章PRネタの見つけ方
第4章プレスリリースはこう書いてこう送る
第5章採用が決まったら
第6章これがテレビに好かれる広報人だ
第7章PRのためのネット戦略
第8章会社の危機はこう切り抜けろ
【ポイント&レバレッジメモ】
★プレスリリースで心のスイッチを押す方法(抜粋)
◇リリースはラブレター、読み手はたったひとり! ⇒ プレスリリースは、マスメディアではなく、パーソナルメディア
◇広告界の巨人の教え、写真とキャプションを効果的に使え!
デビッド・オグルビーの写真活用法
・写真の下にある見出しは、写真の上にある見出しより10%多く読まれる
・写真のキャプションは、ボディコピーの四倍多く読まれる
・写真はひとりに集中すること。群衆シーンは人を寄せ付けない
・カラー印刷はモノクロより1.5倍のコストがかかるが、2倍多く見られる
◇ベタだなんて言わずに有名人をガンガン使え!
メディアの人間は、文章の中に芸能人や有名スポーツ選手の名前を見つけると、目をとめます。ついついその名前に引き込まれてしまうのです。だったら名前を使わせていただきましょう。
有名人の名前は、リリースを読ませるスイッチになります。
★テレビの夕―ゲット
◇昼
テレビ番組のターゲットは、ズバリ女性。しかも、とくに家庭の主婦だと言いきってよいでしょう。
一般的に、テレビは居間にあります。その居間の主は、もちろん主婦です。しかも、専業主婦になると多くの時間を居間で過ごすので、テレビを見る時間も長くなります。<中略>
主婦は消費能力も抜群に優れています。多くの家庭では、夫や子どもはおこづかいで生活し、主婦が家計を握っています。<中略>
女性は買い物が大好きです。自分のものでも家族のものでも、買い物を楽しむことができます。
◇夜(プライムタイム)
プライムタイム(19~24時)は「男性」の時間なのです。ゴールデンの時間帯の視聴者は子どもや主婦が主なのですが、22時台を過ぎるとこの層の視聴はぐっと減ります。理由は簡単。寝てしまうからなのです。
★ネタの定義
ネタというのは、つまるところ情報の「組み合わせ」です。ある出来事と、それを面白くみせる切り口の組み合わせがネタなのです。
★PRする対象にあわせて、そのつど方法を考えることこそPRの基本
それは、PRという仕事が手順を追って作業をすればそれですむというものではないからです。PRが相手にするのは人間です。メディアの人々であり、最終的にはたくさんの消費者です。世の中には千差万別、さまざまな人がいます。そんな人を相手に「ひとくくりのマニュアル」で対応しようというのが大きな間違いなのです。
★ネタ100本ノック(抜粋)
◇あなたの会社の一位を探せ!
ネタの見つけ方のもっとも簡単な手法の一つに、「ナンバーワン」を探すという方法があります。<中略>自社の製品やサービス、社内のようすを見渡して、一位をイメージさせるものを探しましょう。比較する対象を何にするか。そこを工夫すればナンバーワンを見つけるのも容易になるはず。
◇超激安に挑戦!
もっとも簡単にテレビ番組に紹介されるネタはなにか。
それはお金にからむことです。お金はつねに人々の関心事。とくに今のような不景気な時代には、お金への関心は加速度的に高まります。ただし、メディアの飛びつきがいいのは、高額な何かではありません。メディアは、「安い」ものに飛びつく傾向があります。激安情報は視聴率がとれるからです。
★プレスリリースの読まれ方
もっと正直にいってしまえば、僕らがリリースを読む時間は一秒未満だと思ってください。表紙を見て、直感で判断します。表紙が面白くなければ、即ゴミ箱行きです。表紙に読めない漢字があったら、もう読む気がしません。おそらくテレビだけではなく、新聞や雑誌を作っている現場でも似たような状況でしょう。リリースに書かれた情報のほとんどは、採用が決まってから必要なものなのです。
★プレスリリースはラブレター
プレスリリースもそれと一緒だと考えればいいでしょう。プレスリリースはマスメディアに自分の想いを伝える一通なのです。とはいうものの、メディアに対して「あなたが好き」とか「付き合ってほしい」と書きなさいという意味ではありませんよ。
プレスリリースを書くときに、ラブレターを書いたときの情熱を思い出してみてほしいのです。どんなふうに自分をアピールしたか。どんなふうに相手の素晴らしい点、好きなところを伝えたか。そしてどんなふうに自分の思いを伝えたか。思い出したら、それをプレスリリースに応用してみればいいのです。
★「お願い」ではなく「提案」を
広報の配信するプレスリリースの役割は、世の中や人々の生活と自社製品やサービスとを結びつけて、情報提供することにあります。
「この製品を使うと、こんな楽しい生活が送れます」「この画期的なサービスは世の中を根底から変えます」と提案することなのです。ですから、プレスリリースを「お願い状」のように考えるのは、大きな間違いなのです。
★広報の役割
広報という業務は、自社の製品やサービスをメディアに紹介してもらえばそれでOK、という性質のものではありません。
その情報によって、世の中を豊かにしたり、人々の生活を便利にしたり、環境破壊を防いだりする。世の中を変えることができるのが、広報の仕事です。あなたの仕事の成果は、単に「安上がりに宣伝する」ことではありません。会社に利益をもたらすことだけがあなたの役割ではないのです。<中略>
あなたの会社には、世の中を変えることができる商品やサービスがたくさんあります。あなたの会社のトップは、世の中を変える方法をたくさん知っています。あなたの会社には、世の中を変えることができる人々がたくさんいます。
そして、そんな情報を広めるためのスイッチを押すのが、広報人としてのあなたの役割なのです。
★テレビマン側が思う理想の広報人
①社会人として信頼できる広報
②なんでも知っている広報
③頼りになるコンサル的広報
④マメな広報
★ネット戦略
広報活動にとって、ネットの特性である双方向性を生かしたコミュニケーションがとても重要なのです。それは、会社と社会の関係を取り持つこと、つまりパブリック・リレーション(PR)を行っていくことそのものです。テレビや新聞といったメディアを介することなく、直接顧客とコミュニケーションをとれることが、インターネットにおけるPRの最大の特徴です。
★ブログ大作戦
ブログと自社サイトをリンクさせることで、ブログはネット上の看板となります。ひとつのサイトだけでは情報が届かない人にも、たくさんの看板があれば自社サイトへ誘導できます。ですから看板はあればあるほどいいのです。広報担当者だけでなく、社長以下社員全員でブログを書いてもいいくらいです。というか、ぜひみんなで書きましよう。
★ネット戦略が重要であることの本当の理
ネット戦略とPR戦略とは、別々に行うものだとは考えないでほしいのです。ネットの向こうに
いる消費者と、テレビの向こうにいる視聴者は別物ではありません。両者は重なっています。つまり、ネット戦略を丹念に考え、実行するということは、メディア向けのPRをすることでもあるのです。
【感想など】
本書はツイッターで仲よくしていただいている著者の野呂エイシロウさんから献本していただいたのですが、本をいただいてから困ったことに気がつきました。
それは、当ブログにも何度か書きましたが、ワタクシ自身、「テレビを見るのをやめよう!」運動推進委員長(←会員はワタクシだけ)なんですよ。
一昨年の“おバカタレントブーム”以来、すっかりテレビに嫌気がさしてほとんどテレビを見ない生活をしております。
見てるのは龍馬伝と朝の出勤前の忙しい時間にペースメーカー代わりにつけてる目ざましテレビ(それも6:50~7:05くらいです。ちょうど天気予報→情報コーナー→占い→ニュースと短時間で見れる)ぐらいなもので、ときどきスポーツの試合やテレビ初放送の映画を録画してみる程度。
地デジ完全移行したらテレビを捨てて完全にテレビのない生活にしようかと(←子供が泣いて頼むので実現できないと思いますが)考えてる人なんです。
ですから本書に掲載されている
テレビっ子度診断(質問に○か×で答えてください。)
□毎日テレビを3時間以上見る
□テレビ番組で自分の商品が紹介されるイメージトレーニングをいつもしている
□見逃せないお気に入りの番組が3つ以上ある
□女子アナの名前を5人以上言える
□テレビ番組の情報で気になったことをネットで検索したことがある
□かつてハガキ職人(主にラジオ番組にリクエストやネタを書いたハガキを送る人)だった
は、該当ゼロ。女子アナの名前も3人(アヤパンと中野美奈子と愛ちゃん)ぐらいしか言えないなぁ。
さて、「家でテレビ見いへんのや」という話をすると、職場では変わり者扱いされるワタクシですが、どうも世の中はテレビ離れが進んでいるようです。
以前当ブログで紹介した
にあるように、IT技術の進歩とともにマスコミの影響力は低下していくことは必然的であるようです。
それに、テレビを見ている人もHDレコーダーの普及で
なぜ、テレビCMをやめると売上げがあがるのか? 面白いほど行列ができるバイブルマーケティングのすすめ
- 作者:主藤 孝司
- 出版社/メーカー: ゴマブックス
- 発売日: 2009/06/29
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
で、書かれているように視聴者はCMを見なくなっています。
とはいえ、依然テレビの力がどれほど強大なのかも知っています。
例えば、ワタクシの知り合いのうどん屋さんの話ですが、地元の地方ローカル局の情報番組(アド街みたいな番組)に取材され、ほんの数分紹介されただけで放送後数ヶ月間すごい来客だったことがありました。
やっぱりテレビって依然として現在日本にある情報伝達方法の中でずば抜けて“マス”なんですよね。
いくら村上春樹の
が発売1週間で200万部売れたといっても、人口で割れば日本に住んでいる人の約1.7%が読んだ程度。
この数字をテレビの視聴率(この数字が正しいかどうかの議論は別として)と比べれば、テレビ会社的には失敗といわれる低視聴率の番組のほうがどれだけ多くの人の目を獲得しているかがお分かりかと思います。
で、多くの会社の広報さんはじめ、自社や自社の製品をテレビで宣伝したい、しかしCM枠を買う予算はない。
「どっかテレビで取り上げてくれないかなぁ」と考えているあなたにぴったしの本が本書です。
なんせこの本が凄いのは、著者自身がテレビ番組放送作家。
作り手の立場からどんなプレスリリースなら採用となるのかを徹底して詳しく解説しているのです。
ワタクシもビジネス書好きでいろんな分野のノウハウ本を読んできましたが、ここまで懇切丁寧に書かれた本は始めて見ました。
残念ながら例をたくさんあげるとネタばれになるのですが、
写真とキャプチャーの使い方、郵送&封筒のサイズといった細かいテクニックから、どの番組を狙うか、会社のブランディング、ネタ会議の裏話、はてはスキャンダル発覚時のマスコミに対する対応の仕方まで。
普段テレビとは無縁の仕事をしているので非常に興味深く読ませていただきました。
ただ、いろんなプレゼン方法が進歩して“見せ方・伝え方”がどんなに変化しても、最終的には人間対人間のはなしなので、広報さんの個人の人格や職業人としての資質が大きなウェイトを占めるのだなぁと腑に落ちました。
また、本書に書かれていることはそのまま営業さんやワタクシでいえばブロガーなど、“伝える”ということをしている人にとっては勉強になる内容が多々あります。
たとえば、 第2章リリースを書く前に考えること では、タイトルの重要性が説かれている部分があるのですが、
とくにタイトルは大変重要です。なぜなら、この一行によって、受けとった側は読むか、読まずに処分するかを決めるからです。それなのに、世間には「○○のお知らせ」「○○について」という、味もそつけもないタイトルのリリースが溢れています。
じつは、送られてくるリリースの半分は、読んでもよく意味がわからないものが多いのです。人に読ませる、伝えるという点を意識して文章を書くことに慣れていないということもあるのでしょうが、それ以前に、何を伝えようとするのか、決めていないのではないでしょうか。僕にもそういったリリースが届きますが、しっかり読まないと意味がわからないリリースは、正直にいってすぐにゴミ箱行きです。
ブログ記事のタイトルの重要性がよくわかりますよね。
ネットの世界もその記事を読むかどうか判断して次のページへとクリックするまでは3秒といいますから。
よく考えてタイトルつけなければ。
でも、カツマー×カヤマーをジャイアント馬場×ラッシャー木村にたとえるスマイルシグナルさんの様なセンスもないし、ここはやっぱりホッテントリ使ったほうがいいのだろうか?(←他力本願)
さて、テレビの世界を全然知らないワタクシでもかなり“そうそう、わかるわかる”と納得でき、またツボだったのが 第7章 PRのためのネット戦略
「自社サイト」+「社員のブログ」でさらに効果的にPRするという内容なのですが、今ならそれにプラスしてTwitterも取り上げなければならないでしょう。
もはや、自社のホームページを持たない会社の方が珍しい時代になりましたが、どのHPもどうも「堅い」。
そこで、“社長日記”のようなブログで親近感を持ってもらおうとする会社が最近増えてます。さらに、昨年後半からは社長や社員がTwitterでつぶやくところも急増。
出版社のディスカヴァーさんがよい例ではないでしょうか。
書評ブログやってる関係でよく読ませてもらってるのですが、社長室ブログは干場社長のキャラが立ってて面白いし、社長自身がαブロガーだし、編集の千葉さんとともにTwitterでもよくつぶやかれています。
ビジネス書の出版社というとお堅いイメージですが、ブログやTwitterのおかげでとても親近感が持てますし、Twitter上でたまに社長にツッコミをいれるとちゃんと返してくれたりもします。
ここに目を付けた会社は急増中らしく、実際ワタクシの知り合いの中には、会社からiPhoneが支給され契約料も会社持ち、ただし“Twitterでつぶやくこと“が条件として課せられている人がいます。
これってすなわち社員全員が営業マンで広報マン!という状態ですよね。
ネット上の自社サイト+ブログ+Twitterでバックボーンを固め、テレビで取り上げてもらって起爆剤にする。
そしてその相乗効果で口コミを生みブームをさらに広げる。
これからはこれらのシナジー効果で自社製品をうまくPRしたものが勝機をつかむことになるのだと思います。
突破口をつかみたい社長さん、広報さん。
まずは本書を読んでみて作戦を練りましょう。
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【管理人の独り言】
今日はセンター試験1日目だったんですね。
朝、試験会場に向かう高校生をたくさん見かけました。
いつもセンター試験の日は寒くなるのにワタクシが住む地域は小春日和で、受験生にとっては少しは過ごしやすかったのではないでしょうか。
日本の未来を担う若者たちよ、明日もう1日、がんばれ!