○本の選び方
・入門書には2種類ある。教科書的入門書と教科書以前の一般向け入門書とである。
・まえがき、あとがき、目次、奥付だけは必ず見なければならない。
・訳書の場合には、訳者あとがきで、その本の客観的評価が得られる。
・定評のある教科書は多くの版を重ねている。
・参考文献案内と索引がしっかりしているかどうか。
○一つの学問の世界に入っていくとき、まず何よりも必要なのは、その世界全体のパースペクティブを手早く頭の中に入れてしまうことである。 ⇒ 欠かせないのは、その学問の歴史、学説史、思想史
○「実戦」に役立つ14ヶ条(抜粋)
①金を惜しまず本を買え。本が高くなったと言われるが、基本的に本は安い。
②一つのテーマについて、1冊の本で満足せず、必ず類書を何冊か求めよ。
③選択の失敗を恐れるな。失敗なしには、選択能力が身につかない。
④自分の水準に合わないものは、無理して読むな。
⑤読みさしでやめることを決意した本についても、一応終わりまで1ページ、1ページ繰ってみよ。意外な発見をすることがある。
⑥速読術を身につけよ。
⑦本を読みながらノートを取るな。
⑧人の意見や、ブックガイドの類に惑わされるな。
⑨注釈を読み飛ばすな。注釈には、しばしば本分以上の情報が含まれている。
⑩本を読むときには、懐疑心を忘れるな。
⑪オヤと思う個所に出会ったら、必ず、著者はこの情報をいかにして得たか、あるいは、判断の根拠はどこにあるのか考えてみよ。
⑫何かに疑いを持ったら、オリジナルデータ、生のファクトにぶち当たるまで疑いをおしすすめよ。
⑬翻訳は誤訳、悪訳がきわめて多い。
⑭大学で得た知識など、いかほどのものでもない。社会人になってから獲得し、蓄積していく知識の量と質、特に20代、30代のそれが、その人のその後の人生にとって決定的に重要である。若いときは、何をさしおいても本を読む時間をつくれ。
○論文というのは全体の構成がだいたい決まっているから、慣れると割と速く読めるんです。まず、冒頭に、「要約及び結論」というのがあって、次に「(実験の)方法」、そして「(実験の)結果」、最後に「議論」と、必ずそういう構成になっているんです。
○サイエンスの本の方にも読み方のコツというのがあって、人文系の名著のように丹念に読んでいく必要はないんです。そこに書かれている情報が何かということだけ分かればいいわけですからね。サイエンスの場合、重要な情報というのは、必ず図版を利用して記述してありますから、冒頭の前書きや目次、概論の部分だけきちんと読んで、後は図版を中心に見ていく。そうすると、理解が早いんです。