モヤモヤ頭をスッキリ頭に変える 3秒間! 脳内整理術 「にこまる」で超図解すればらくちん問題解決
- 作者:茂野太陽
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2009/10/31
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
なるほど、正しい質問が正しい答えを導き出すのか。
では正しい質問はどうやって導き出すのか?
答えは二つのマルにあるようです。
【目次】
第1章 にこまる脳内整理を体験する
第1話 仕事の問題はいつも「ここ」で起きていた
第2話 部屋の「整理整頓」は、子供には難問すぎた 他第2章 仕事で使えるにこまる脳内整理術
第1話 仕事の覚え方、教え方
第2話 仕事で問題が起きたらこれをやろう 他第3章 常識は錯覚―勝つための“非常識”へ
第1話 常識の壁は壊すのではなく広げる
第2話 世界は複雑でありながらもシンプル 他第4章 あなたの知識が役立つために必要なこと
第1話 整理された情報が望まれている
第2話 頭がもやもやするのは入り口が自動ドアだから 他第5章 脳内整理は答えでなく「問い」に重点を置く
第1話 情報の整理法にも向き不向きがある
第2話 思考の境界線を越えるカーメタ思考 他第6章にこまる図の読み書きそろばん…
第1話 にこまる図の読み方
第2話 にこまる図の書き方 他付録:脳内整理テンプレート集(抄)
【ポイント&レバレッジメモ】
★脳内整理というのは結局、まず自分の言葉で自分専用の辞書を作るようなもの
★仕事の問題が発生するポイントは、実はほぼ決まっています。それは「仕事」と「仕事」が接触するところです。
★「イメージと論理の世界を一つの図で表す脳内整理のためのツールがにこまる図だ!」
問題が発生するところには、最低でも二つの何かがぶつかり合っていますから、今、目の前で起きている問題は、何と何がぶつかって起きたのだろうか?これをまずは考えます。
そして、問題を発生させている二つを見つけたら、次に、いったい二つのうちの何がどのようにぶつかり合って問題が起きているのかを、いつ、どこで、だれが、何を、なぜなどの5W1H形式などで、細かく見ていきます。
すると、ぶつかり合っている部分が明確にあらわれてきます。コミュニケーション不足やまだ想定できていなかった部分で問題が起きていることが多いかと思います。
これらを二つの○で表現し、問題をにこまる図でイメージ化します。
★仕事には、広がりの流れ(拡散)と、まとめの流れ(集約)がある
★仕事は、らせん状に渦を巻いて進んでいく
仕事のスタートからゴールがまるでハリウッド映画のような展開だったらちょっとスリリングすぎるかなとは思いますが、仕事の場合は序盤はゆっくりあれこれ要望などが広がりの流れ(序)をみせながら、途中で現実を見なくてはいけない状況(破)がやってくる。そこからはあっという間にゴールへと、引きずりこまれる急展開(急)になる傾向が強いということをイメージしておくだけでも、自分と仕事の関係の全体像を把握しやすくなります。
★仕事をマネジメントするコツ
「作業の指示を大きな枠で提供しつつも、中身はおまえに任せた」という感覚で作業指示を出すのです。問題点が起こる場所は、自分の知らない世界と、知っている世界がぶつかり合う場所ですから、知らない世界の知識は、前もってキーワードレベルで教えておき、「ここは必要になると思うから、ちょっと先に調べておいて」。こんな指示を出し、知らない世界をまずは知ってもらいます。
★会議の進め方のコツ
「テーマ(今)の共有、ビジョン(未来)の共有、知識べース(過去)の共有の3つの土台造りの工夫」と、「参加者の当事者意識を高めるための工夫」、そして「会議時間を調整する話の拡散と集約の工夫」、これら3つの考え方をもって場を作り上げることが会議をうまく進めるコツということです。
★仕事を呼び込む仕組み
◇ 「ビジネスは人を楽にさせること」
◇自分自身にいくつもの窓口を作っておく
★常識の壁は壊すのではなく広げる
◇常識は錯覚である
実際に図に描けば、常識とはこのような、やってはいけないこと(タブー)に囲まれた、非常識によって周りを囲まれた中に存在するようなもので、そこに実体は存在しないということが見えてくるかと思います。周りをタブーで囲まれているわけですから、なかなかその壁を壊すのに時間がかかるイメージもつかめたかと思います。常識には実体などなく、周りを取り囲む壁しかないことを直感的に知った過去の成功者たちの頭の中には自然と描かれている図であるようにも思います。
◇自分の言葉で、タブーのあいまいな部分にメスを入れ、扉を作っていくことで、常識の壁を広げていく → 正面突破で壁全体を壊す必要はありません。行き来のできる扉を設置するだけでいいのです。
★マインドマップ、シンプルマッピング、にこまる図
マインドマップで思考を拡散させ、そしてシンプルマッピングで思考を現実的で実行可能な形に切り口を変えてまとめ上げる、こんな使い方をしています。そして、さらに、にこまる図を使うことで、テーマの軸となる部分を見つけ出し、一言で表現できるくらいまで抽象化し、全体を傭賦的に見つめるようにしているのです。
◇シンプル思考と複雑思考の両方をその都度、使い分けることが、頭の整理整頓に役に立つのです。
★心のブレーキ、体のブレーキ
「頭を使うときは頭を使い、行動するときは行動する」。これを徹底する必要が出てくるのです。やると決めたことを成し遂げることを繰り返す必要があるのです。もちろん大きな目標である場合は成し遂げるためにたくさんの時間を要する場合もあります。こんなときは、成し遂げるものを小さく小さく分割、細分化すれば、一つ一つの作業が成し遂げやすくなります。
◇小さくても成し遂げたものの積み重ねが、最終的な大きな目標へとたどり着くためのステップと考えるのです。
★頭がもやもやするのは入り口が自動ドアだから
◇情報の入り口が自動ドアになっている部分を、自分で開け閉めできるようにする
◇私が一番効果的だと思った情報のシャットアウトの方法は、パソコンに触れない日、テレビをつけない日を、週に1度は作ることです。
◇いかに情報を収集するかではなく、いかに情報を捨てるかが頭の整理整頓のポイント
◇自分で得た知識を、外部化してみることで情報は整理される
★究極の知識
私の中には、目指したい究極の使える知織の形というものが存在します。言葉は短いながらもその言葉に触れた瞬間に、どんどん自分の過去の経験や蓄積してきた知識があふれ出し、触れた本人独自の物語が生まれる「ことわざ」のようなものです。ことわざの多くは、単に答えだけを語るのではなく、問いまで含めた形ででき上がっています。読んだ人は、その問いを自分の言葉に置き換え、そして自分のものとして発展させ、方向性を見出したりしているのです。
◇知識のテンプレート・・・「ことわざ」のようなシンプルな問いを含んだ知識の形 → テンプレートとは、枠です。その枠を通れば、同じ結果が何度でも生まれるものです。再現性のある知識の形(にこまる)でもあります。
★「あの人、頭の回転速いよね」といわれる人
◇問いの部分から答えの候補となるものを次から次へと生み出すことができる人
つまり、頭の回転の速い人というのは、この物事と物事が接触したときに瞬時に何かしらのアクションができる訓練を積んでいる人とも言えます。難しい問いであっても、似たようなシンプルな問いに、類似点を見つけて答えを導く、これが3秒で脳内整理を行うためのコツということです。
★思考の7つのステップ
ステップ1 ステップの軸を作る
ステップ2 実現できるイメージを膨らますステップを作る
ステップ3 実現に必要なものを手に入れるステップを作る
ステップ4 具体的なスケジュールを練り上げる
ステップ5 できることから始め土台を固める
ステップ6 挑戦する場を作る
ステップ7 全体像を再確認する
◇にこまる脳内整理の肝は、「小さくシンプルな問いを作りあげること」です。また、にこまる脳内整理が「答え」ではなく「シンプルな問い」に承点をおくのも、「シンプルな問いとシンプルな答え」を生み出しやすい環境を作るためなのです。
★「読書をしながらも本には縛られない読書」
問いを発見し、妄想を膨らませ、仮説と検証をし、本とはしばしの別れをする読書法。私はこれを「にこまる妄想読書法」と名付けています。自由であり、自分主体の読み方、これが私が日々実践している読書の形なのです。よかったら一度お試し下さい。
【感想など】
「こりゃなんじゃらほい?」というのが本書を最初にパラパラとプレビューした時の正直な感想でした。
なにやらマルが色々書かれている図がたくさん載っていて、タイトルからすると問題解決あるいは発見のための方法らしいけど、シンプルマッピングとも違うようだし、だいたい3秒で頭の中がすっきりするのか?・・・で、一体なに?
それで、疑問とともに精読していったのですが、著者のマインドマップ、シンプルマッピング、そしてにこまる図の使い分けの説明でようやく納得。
著者は以下のように使い分けているのだとか。
いろいろなアイデアを出したい、いろいろな可能性にも目を向けたいなどの拡散的思考では、マインドマップ。
現実的なアイデアに絞りたい、現実可能なものに目を向けたいなどの集約思考には、シンプルマッピング。
そして「にこまる図」は思考の拡散←→集約の間でメタ思考の役割を担うとのこと。
なるほど、つまり「にこまる図」というのは、イメージとしては“発芽寸前の種”、あるいは“ビッグバン直前の宇宙”といった感じでしょうか。
発想のスタート地点なわけですね。
で、メタ思考って何?という(ワタクシを含めた)方のために、一応メタ思考の説明引用しておくと
ところで、「にこまる的思考」はどうなの?と読者さんから気の利いたつっこみがあることを期待してお話をすると、にこまる的な思考は、メタ思考に分類されると考えています。問い自体を問うという世界です。問いがあるから思考は拡散し、そして集約され答えにたどりつくわけですが、その問い自体に目を向けるのがメタ思考と呼ばれるものです。もっと簡単な説明をすると、「それって結局なんなのさあ~」を考えることです。抽象度を上げて俯瞰的に物事を見つめること、大局的に物事を見つけることと表現されることもあります。
なんか、わかったようなわからんような説明ですが、
要するに「にこまる図」というのは
問題点がどこにあるのか?考えるべき部分はどこにあるのか?何と何がぶつかり合っているのか?これを明確にする
というもので、基本的には二つの対立軸という構図まで物事を単純化するのがミソのようです。
実際のビジネスの現場で発生する問題は色々な要因が複雑に絡み合っているモノが多いですが、その絡み合った糸を一つ一つひも解いていけば最終的には問題点は二つの事物の対立構造まで単純化できる。
そしてそこまで単純化できれば、解決方法は「にこまる図」をつかって発想を始めればいいということです。
が、これは少々訓練が必要そうですね。
マインドマップやシンプルマッピングは思いつくままにイケイケドンドンで描いていくところがあって、描く側も楽しかったりしますが、問題を単純化する作業って難しいような気がします。
本書のタイトルのように「3秒間!」というわけにはいかないでしょう。
ただ、問題発見のヒントも著者は与えてくれています。
それは
適切な問いを準備できれば、答えは見つかる
「問い」の形で、情報が整理できているかどうか?これがポイントなのです。
というもの。
これは少々頭をガツンとやられた感があります。
ワタクシたちは何か問題が起こると答えを探して「どうしよう、どうしよう」と右往左往してしまいますが、その間えてして「何が問題か?原因は何か?」ということが頭からすっかり消えてしまっていることってありますよね。
「答えを探すのではなく、まず問いを探す」
そのためにも、これからは
何が対立しているのか?
二つのマルには何が入るのか?
という視点を常に持って物事を分析する癖をつけていこうと思います。
最後に、ワタクシ的に「おぉぉぉぉ、なるほど」な話だったのが「常識」と「非常識」の話でした。
「常識の境界線の外に世界があることを知り、外の世界の常識を手にする」
そうですね、壁の向こうには新たな可能性やチャンスがある。
こういう場合、多くの自己啓発書では「壁を飛び越えてしまえ!」的なことが書かれていますが、よく考えてみればかなりリスキーなこと。
著者が言うように、飛び越えるのではなく、壁をちょっと押し広げたり、あるいは壁に扉を付けて外と行き来するようにすればよい。
どっちか一方にどっぷりつからず、両方のいいところをバランスよく利用する。
これはなかなかいい発想です。
大いに参考になりました。
安定や安全を求めるのであれば、凸と凹の対なる視点
進歩や飛躍を求めるのであれば、常識と非常識の対なる視点
二つの視点を駆使して新たなチャンスをつかみたい方へ。
モヤモヤ頭をスッキリ頭に変える 3秒間! 脳内整理術 「にこまる」で超図解すればらくちん問題解決
- 作者:茂野太陽
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2009/10/31
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
シンプルマッピング協会 しゅっぱん2.0 齋藤長信 様より献本していただきました。
ありがとうございました。
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