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桁外れの結果を出すための、すごく地道で泥臭い5つのポイント【書評】鳩山玲人(著)『桁外れの結果を出す人は、人が見ていないところで何をしているのか』幻冬舎

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おはようございます、一龍です。

うちの娘が小さい頃、毎晩キティーちゃんのぬいぐるみを抱っこして寝ていたものですが、今日ご紹介するのはそのハローキティーなどの人気キャラクターを擁し、サンリオをして「海外で最も成功している日本のエンターテイメント企業」と呼ばれるまでに育てたCOO、鳩山玲人さんの著書。

タイトル通り、桁外れの結果を出した著者の仕事術・仕事論は目からウロコ、そしてかなりマッチョなものでした。

はじめに

2008年、38歳で三菱商事を退社してサンリオ米国法人のCOOとなり、5年間で営業利益を約3倍に、時価総額は約7倍にするという”桁外れ”の結果を出した方。

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しかも現在はDeNAの社外取締役も務めておられるとのこと。

40歳になる前にこれだけの結果を残した著書は、人の見ていないところでどんな努力をしてきたのか?

その一端をご紹介します。

桁外れの結果を出すためのポイント

★新しい会社や部署に入ったら、そこにある本と資料を全部読み込む

 私が三菱商事に入社したときは、まず職場の外部環境について、入社前に一通りの情報を洗い出してチェックしていました。

 業界や競合企業の情報なら、雑誌や新聞の記耶、公表されている財務データなどリソース(資源)は山ほどあります。自分が入る会社の売上や利益、自分が配属される部署の社内での位置づけなども、その気になればいくらでも調べられます。入社初日には、外部から得られる情報は一通り頭に入っていました。

 入社後は、部署内にある本や資料すべてに目を通しました。周囲の人がみんな帰った後、会社に居残りして、キャビネットに並んでいる分厚いファイルや書籍などを読み漁ったのです。これは、自分がこれから仕事をしていく領域について学ばなければならないことを、できるだけ早く身につけるためです。

これは驚きました。会社の情報というのは務めているうちに自然と頭に入ってくるものという感覚でしたが、言われてみればその通り。

入社前から調べられるものは調べ、入社後は自由に閲覧できる資料が目の前にあるわけですからそれをどんどん吸収する。そうすることで全くスタートダッシュが違ってきますよね。

他人と結果で差をつけるための材料は、実は職場の身近なところに存在するのです。

★社内のルールを覚える

 社内ルールを熟知していれば、必要な行動を洗い出したり、適切な人に話を通したりといったことがスムーズに進められるはずです。

 また、在籍している年数が長くなればなるほど、聞いたり調べたりしづらくなるので、ストレスなく仕事をするためには、社内ルールを最初に押さえてしまうのが有効です。

内規集は会社のルールブック。スポーツではルールを熟知することで作戦の幅が広がりますが、これは会社でも一緒。しかし多くの人が必要に迫られた時しか読まないし、必要に迫られた時でもまずは周りの人に聞いて教えてもらうというぐらいの意識ですよね。最初にしっかり頭に入れておけば、不要な時間ロスを防ぐこともでき、仕事がスムーズになるのに、これは盲点でした。

★スポーツでは毎日トレーニングをするのに、仕事ではなぜなにもしないのか

 仮に毎日19時に退社するとしましょう。24時に就寝するなら、5時間の時間があり

ます。この時間は週5日間分で25時間、1力月分で約100時間、1年間ではだいたい1200時間にもなります。

 私は新人時代、いつも「この1200時間をどう使うか」と考えていました。<中略>

 本当に仕事力を高めたいなら、小さいことを毎日継続することです。1日に1パーセントの変化を積み重ねれば、365日で1.01の365乗ですから、約37.8倍の変化となります。

 趣味でもスポーツでも、毎日のトレーニングを欠かさない人は、揺るぎない基礎力をつけることができます。仕事もそれと同じで、1日1日のトレーニングを大事にすることが重要です。

目の前の仕事をこなすことはもちろん最重要ですが、そればかりに終始していては大きなリターンは得られません。「3カ月後、1年後、3年後に手に入れるために、今日は何をすべきなのか」を考え、「緊急ではないけれど重要なこと」に日頃どれだけ準備の時間を割くことができるかで、成果が大きく変わってくる。そのためにスポーツ同様仕事も日頃のトレーニングを意識するべきです。

★ほんのわずかでも時間があれば、足を運んで人に会う

 私は仕事でおつき合いのある会社の近くまで行ったときは、用事がなくても立ち寄ります。急に訪問すると、担当者が不在だったり会議中だったりして会えないことも多いのですが、それでもこの習慣は、昔も今も変わらず続いています。<中略>

 知人の会社の近くにいて、少しでも時間があるなら、顔を見せに行くというのは、一つの貴重な機会なのです。立ち寄らずにすませてしまうのは、その機会を無駄にしているということですから、私にはとても違和感があります。

 こうした行動が1年、2年、3年と積み重なっていくと、「ご縁」に大きな違いが生まれます。

努力していなければチャンスはつかめませんが、チャンスを運んでくるのは人です。人のご縁がなければチャンスと出会うことはできません。最近ではSNSでも人との繋がりを簡単に維持することはできますが、やはり直に会うことが一番の方法であることにかわりありません。非常に泥くさい方法に聞こえますが、これを続けるかどうかで著者が言うように大きな違いが生まれると思います。

★やり方を変えなければならないほど仕事をあふれさせる

 自分の能力の限界を超えていくことによってしか、限界値を引き上げることはできないのです。<中略>

 仕事をどれくらいこなせるかは、「時間×能力×やり方」で決まります。人間のキャパシティは、時間に関しては全員が同じ条件です。この式において結果を最大化するなら、「能力を高めること」と「やり方を変えること」が重要だということです。

 能力は一朝一夕にはなかなか変わりませんが、仕事のやり方は変えようと思えば、どんどん変えていくことができます。

 しかし、変えなければならない状況に追い込まれないと、人は自分のやり方を変えようとはしないものでもあります。「やり方を変えなくてはこなしきれないくらい仕事をあふれさせる」ことで、半ば強制的に変えていくのが一つの方法なのだと思います。

筋トレでは負荷を徐々に上げていくことでか筋力はアップしていきます。これは仕事も同じ。いまの仕事で一杯一杯、もうこれ以上無理というところで少しだけ仕事を増やす。それも時間を増やさずに。そうすると自然とやり方を工夫するでしょう。それを繰り返し続けていけば高い生産性を身につけることができます。そのために「もう無理」と思った時にもう一歩前進する、自分で自分に負荷をかける心がけを持ちたいですね。

感想など

◆徹底した準備

全体にかなりマッチョな仕事術、仕事論が展開されている本書、まず読んで感じたのは、著者の徹底した”準備”です。

 仕事で結果を出すためには、入念な準備が必要です。

「ほかの人にはできないことをやってのける人」「仕事でどんどん成果を上げていく人」というのは、実は人から見えないところで、できないことをできるようにするために、あるいはここぞという場面で望ましい対応がとれるようにするために、徹底的な準備をしているのだと思います。

能力の優劣ではなく、どれだけ準備をしたかによって差がついているのだといってもいいでしょう。

入社前、入社後にこれだけ資料を読み込み、ルールに精通しようとする人を私は見たことがありません(私が知らないだけかもしれませんが)。

まさに目からウロコでしたが、言われてみればやってあたりまえなのですよね。

スポーツで例えるなら、仕事の現場は”試合”にあたります。

そして、スポーツの世界では試合で最大のパフォーマンスを発揮するために、トレーニングを徹底的に積んできます。

そしてゲーム性の非常に高い種目でないかぎり、そのトレーニングの段階で、ほぼ100%近く結果は決まっています。

考えてみれば仕事もスポーツと同じで試合以外のところでのトレーニングが成果を決めるはずなのに、その点にはあまり意識がいっていません。

しかし、そういう人が圧倒的に多数派なのであれば、飲みにいって仕事の愚痴を言っている時間を、少し仕事のための”トレーニング”にあてるとそれだけで他者から一歩先に出れますよね。

◆努力を努力と思っていない

さて、こういった努力が継続できる人とはどんな人なのでしょう。

すごく意志の強い人でしょうか?

そうではないように最近私は思っています。

実は彼らは努力を努力と感じていないのです。

「夜中に会社に残って資料を読んでいた」というと、「残業してまで勉強するのか」と思う方もいるかもしれません。

 しかし、当時の私には「残業している」という意識はなく、また残業を申請するわけでもなく、趣味のような感覚で楽しんでいました。それは、人より一歩でも二歩でも先に進んでいくために必要な準備であって、私にとって未知の資料を読んで新しい知識を得る時間はとても楽しいものだったからです。

とあるように、普通の社員なら苦痛なことでも、彼らにとっては楽しいことであり、息をするように普通のことと感じているようなのです。

実は、イチローも日々のトレーニングに関して、同じような趣旨のことを言っていました。

その人が努力しているかどうかは他者が決めることで、本人はあまり意識していないものだと。

もし本人が「俺はすごく努力している」などと意識していたら、それは苦しくて続かないのだと。

仕事の「やり方」のところでも登場しますが、凡人とはニュートラル(普通のレベル)が違うのです。

では、成果を残す人と残さない人の違いがニュートラルの差であるならば、私たちがやるべきことはニュートラルを上げていくことにつきます。

そのための方法は、仕事に対する意識の変革と、やはりトレーニングしかないのでしょうね。

なお、仕事に対する意識についても、本書を参考にしてみてください。

◆新人なら第6章に書かれていることの一つでも実行を!

最後に、

 

第6章では「私が新人の頃から徹底してきた仕事の基本」として12のtipsが登場します。

 

特にあなたが新人であったなら、このなかの一つでも実行することによって結果がかなり変わってくるのではないでしょうか。

 

例えば、

 

「コピーを頼まれたら、その書類の中身をチェックする」というもの

 

 そもそも、コピーをとるということは、その書類がどこかで必要とされているということです。また、新人がコピーとりを頼まれたら、それは書類の中身を見てもよいということを意味します。そこで、「この書類の目的は何なのか」「誰が作ったものなのか」に意識を向ければ、会社の動きを知るヒントになるわけです。

 

この発想、正直言うと私もなかったです。

というか、逆に見てはいけないのかと思ってました。

いや、お恥ずかしい。

 

 

本書では、かなり骨太の仕事術、仕事論が展開されていますが、成果を残し、その他大勢とは違う存在になるビジネスパーソンは何を考え、何をしているのかが赤裸々に書かれています。

 

そしてそれらは華々しい桁外れの結果からは想像できないほど地道で泥臭い、だれでも実践できるものばかりです。

 

一歩抜け出したいなら必読の本書。

激オススメです。

 

本書は幻冬舎編集者の四本様より献本していただきました。

ありがとうございました。

目次

はじめに
第1章 桁外れの結果を出す人は、人が見ていないところで何をしているのか
第2章 不安をうまく利用するから、結果が出せる
第3章 人間関係をおろそかにすると、どんな努力も無駄になる
第4章 今の時間の使い方が、3カ月後の仕事の実績を左右する
第5章 現状に満足した瞬間、成長はストップする
第6章 私が新人の頃から徹底してきた仕事の基本
おわりに

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