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マルチタスクの害から心と体を守る簡単な方法、マインドフルネス瞑想

おはようございます、一龍です。

最近読んだ本の中でちょっと衝撃だったのがこの本。

『世界のトップエリートが実践する集中力の鍛え方  ハーバード、Google、Facebookが取りくむマインドフルネス入門』

われわれがあたりまえのように業務しているマルチタスクな働き方が、実は相当からだに悪いのです。
 そこで防衛策としてマインドフルネス瞑想が登場するのですが、今日はかんたんにご紹介します。

 

マインドフルネス瞑想のポイント

 

★マルチタスクは脳に損傷を与える

まずは本書冒頭部分の衝撃的な一文から。
我々の仕事は複雑化して、一度に複数の業務をこなしていくこと、つまり「マルチタスク」が当たりまえになっています。

しかし、このマルチタスクは決して生産性を高めるものではありません。

 昨今、マルチタスクは仕事の効率を落とすことが明らかになってきています。
 ロンドン大学の精神医学科の研究チームが、イギリスで1100名のビジネスピープルを対象に行ったマルチタスクに関する調査報告があります。それによると、「メールや電話によって気が散っている時の被験者たちのIQは、徹夜明けの時の数値とほぼ等しい」といいます。
 また別の調査によると、「ひとつの仕事に集中するのは難しい」と感じているビジネスピープルは69%にのぼります。この結果からは、集中力は簡単にそれてしまうことがわかります。とりわけ
Eメールによる影響が大きいようです。

誰しも経験があると思いますが、電話やメールに仕事を中断され、仕事に集中しきれない状態の中で我々は仕事をしています。

しかもこのマルチタスクは、我々から集中力を奪い、生産性を低下させるだけではないというのです。
驚くのはマルチタスクの脳への影響。

 スタンフォード大学のレポート(2009年8月24日付)では、「マルチタスクが常態化することで、脳の重要なふたつの場所が損傷を受ける」と報告されています。
 ひとつは「前頭前皮質」と呼ばれる場所で、計画や分析、物事の優先順位づけなど理性的な働きをつかさどる部分。もうひとつは海馬と呼ばれる場所で、ここは記憶や空間学習に深く関わっています。さらに恐ろしいことに、いったん損傷を受けた場所は回復させることが不可能だといいます。
 集中力をそぐだけではなく脳に損傷まで与えている・・・日々当たりまえになっている「マルチタスク」の弊害はここまで明らかになっているのです。

まさか、テクノロジーの時代の仕事のスタイルが、脳に損傷を与えているなんて。
これは驚きと同時に恐怖です。

しかし、だからといって仕事のスタイルを変えるわけにはいきません。
そこで登場するのが「マインドフルネス」です。

★「マインドフルネス」とは

まずは「マインドフルネス」の定義から。

 「マインドフルネス」とは、「意図的に、いまこの瞬間に、評価や判断とは無縁の形で注意を払うことから、浮かんでくる意識」です。これはマサチューセッツ工科大学医学大学院のジョン・カバット・ジン博士による定義です。

ということなのですが、ちょっと難しいですね。
本書では続いてこのように解説されています。

 過去や未来に意識を奪われることなく、ただ単にあるがままの状態・・・たとえば自分の身体にどんな反応が起きているか、感情や思考はどうか、他者との関係性や場の雰囲気はどうなっているかなど、この瞬間に起きていること・・・に対して、十二分な注意を払っている状態が、マインドフルネスです。

要するに”今”に集中できている状態と言えばいいのでしょうか。
それも気合を入れて力んだ状態ではなく、適度にリラックスした、ごく自然体の状態で。
仕事をしている時にこういう状態というのはちょっとないですね。
でも、トレーニング次第で誰でもできるようになるそうです。

そのトレーニングとは瞑想。
瞑想というと禅やヨガをイメージして、なにか難しそうに思うかもしれませんが、本書に紹介されているマインドフルネス瞑想は非常にシンプルで誰でもできそうです。

ではそのやり方を紹介します。

★マインドフルネス瞑想の4つのプロセス

マインドフルネス瞑想は、次の4つのプロセスから成り立っています。

プロセス1 呼吸に注意を向ける
ブロセス2 注意がそれる
プロセス3 注意がそれたことに気づく
プロセス4 それた注意を呼吸に戻す

この4つのプロセスを繰り返します。

※細かい注意点は本書で

★マインドフルネス瞑想の実施の手順

では具体的なマインドフルネス瞑想の手順です。

ステップ1 瞑想の目的を確認する
ステップ2 イスに座り、自分にとって心地よい姿勢をとる
ステップ3 ゆっくり目を閉じる
ステップ4 まずは10分間、瞑想する(4つのプロセスを繰り返す)
ステップ5 最後に3回深呼吸
ステップ6 振り返り

各ステップの細かい注意点は本書でお確かめください。

この瞑想法が秀逸なのは、椅子に座って楽な姿勢でできること。

座禅のような座り方ができない人や、オフィスでちょっとした隙間時間に実行したい人に向いていると思います。

感想

以前ご紹介したこちらの本

この本にレジリエンスの強化法として3分間マインドフルネス呼吸法というのが登場して、はじめて「マインドフルネス」というものを知りました。

で、こういった簡単な瞑想が流行っているんだなと思っていたところ本書を読む機会をいただき、あらためてこのメソットなかなか良さそうだと感じました。

また、Amazonで検索したところ、関連書籍も多数発行されていて、世界的に注目されていることもわかりました。

上記したとおり、座り方など非常に簡単で、場所を選ばないのも受け入れやすくていいと思います。

さて、本書を読んで衝撃的だったのは、マルチタスクがのにう損傷を与えるという件。
これは由々しき事態ですが、現段階では仕事の内容を帰ることはできません。

マインドフルネス瞑想法などで自己防衛するしかないため、Googleなどの最先端起業もこの瞑想法を取り入れているのでしょう。

ただ、そういったリスクがわかってきたならば、社会全体で仕事のあり方を変えていかなくてはならないのではないでしょうか。

 脳を、コンピュータのようにマルチタスク型に進化させる・・・というのはあまりに非現実的。
 だとしたら、マルチタスクの罠にはまらずに、人間の脳の特性に合った生き方、働き方をすることが、このテクノロジーの時代を操縦していく力となるのではないでしょうか。

脳の特性に合わせた働き方という発想は、これからの社会を築いていくうえで、早急に取り入れていかなければならない考え方ではないかと思いました。

とはいえ、まずは瞑想を実行してみましょう。
僕も今日から取り入れてみます。

本書は日本能率協会マネジメントセンター編集者の柏原様から献本していただきました。
ありがとうございました。

目次

はじめに なぜ、世界のトップエリートは忙しくても成果を出し続けるのか?
序章 いま世界ではじまっていること ジムてトレーニングするように集中力を鍛える
第1章 答えのない時代に結果を出す9つの力 マインドフルネスがもたらすもの
第2章 最新の脳科学が解き明かすマインドフルネスの可能性
第3章 世界のトップエリートが実践するマインドフルネストレーニング
第4章 シーン別・マインドフルネス実践法 毎日をマインドフルネスにすごすために
第5章 チームの力を高めるマインドフル・コミュニケーション 成果を出し続ける聴き方、伝え方
第6章 自分をリードする生き方 マインドフル・リーダーシップ入門
おわりに

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