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新社会人が日経新聞を読むときにチェックするべきポイント

おはようございます、一龍です。

社会人になると「新聞ぐらい読んでおけよ!」とよく言われます。
実際、職場で新聞に掲載されていた記事が話題になることも多いです。
特に日経新聞はビジネスパーソンなら読んでいるのがあたりまえといった雰囲気もあるくらい。

そこで今日は、「やるじゃん。」ブックスの
『社会人1年目からのとりあえず日経新聞が読める本』 から、新社会人は日経新聞のどの点を注意して読めばいいのかといったポイントをピックアップしてみました。

 

新社会人が日経新聞を読むときにチェックするべきポイント

★「日経平均」とTOPIXをチェックする

 

 日本の「日経平均」は(ニューヨークのダウ平均の)30社ではなく、225社を使って、1949年に100円前後からスタートしています。バブル前長期の1989年には、4万円にまで上昇していました。
 現在の日経平均は1万6000円前後で推移しています。すなわち、25年間、高値は抜けていないどころか、半分になっているのです。

TOPIXも重要な指標です。

 225種に限られる日経平均に比べて全銘柄の動きが反映されるTOPIXは、銀行株などを中心とした金融セクターの比重が高くなり、金融株が上がるとより大きく上昇します。

 今後も、TOPIXは直感的に東京市場の動きを知るには便利なので重要ですし、株式市場の実態を正確に知るのには役立つことでしょう(2016年2月の国内指数は1300前後)。

 

 経済成長が続けば株価も上昇し、日経平均やニューヨークダウなどは、時間的には多少の遅れや先取りはあっても、トレンドとしては成長を反映します。逆も真といって差し支えありません。

★わが国の貿易収支は黒字か赤字か

日本の貿易額は、最近では70〜80兆円の規模です。
(貿易収支の詳細は財務省のホームページでみることができます)

 2011年以降を見ると、東日本大震災後の福島第一原発の事故で天然ガスの輸入代金がかさみ、そのおかげで一説には年間3兆円ほど輸入金額が増加しました。
 貿易収支は、そのころから一転して赤字となっています。2015年は2兆8000億円の赤字です(前年に比べると、原油安のため赤字額は大幅に減少しています)。

★日本の失業率と雇用の実態を知る

 

 失業率は3%前後で推移しています。
 問題は、雇用者総数が5700万人程度ありながら、正社員は60%程度しかいないことです。残り40%は、派遣、契約、嘱託などの不安定な雇用契約、いわゆる「非正規労働者」ということになります。

★日本の高齢者人口を知る

 

 総人口の4分の1以上が65歳以上です。さらにその半分が75歳以上だそうです。

★インバウンド効果を知る

 昔から旅行業界では、外国からくる旅行者を「インバウンド」と呼んでいたそうです。

 2015年のインバウンド旅行者は1973万人になったそうです(速報値、日本政府観光局)。2000万人も目前です。
 とにかく、この数年はうなぎのぼりで、1ヶ月に百数十万人の外国人が日本を訪れているのです。

 

 インバウンドを国別で見ると、2015年では中国から499万人、韓国400万人、台湾152万人となっています。米国がそれに続いて103万人です。中国からの旅行客が圧倒していますが、全般に好調です。
 それぞれを前年比で見ると驚いてしまいます。特に中国からの訪日客は107%増で、消費額は1兆4174億円と153%の増加だそうです。

★日本の農業、穀物自給率を知る

 

 現在、日本の農民はどのくらいいるのでしょうか。2015年の「労働力調査」によると、労働者の2%強で、170万人強が農業従事者のようです。
 60年前は1000万人が農民だったようですから、農家の数は5分の1に激減しているのです。
 加えて、農業従事者の平均年齢は、一般的に高齢者とされる65歳に近いと思われます。一言でいえば、1億2700万人の食料を、170万人の高齢者が支えている状況なのです。

 

 穀物自給率は3割を切っています(2011年で28%)。コメだけはがんばっていますが、国民支出ベースではパン代金に抜かれているようです。

 日本は世界有数の農産物輸入国です。

 年間7兆円程度も農産物を輸入しています。日本の輸入額(2014年で83.8兆円)の約10%が農産物です。

★原油と金の価格を知る

原油と金は今も重要な戦略商品です。

 経済成長が著しいときには、原油価格は上昇します。不況になれば下落します。
 たとえば、最近の好況期だった2008年のリーマン・ショック直前には、1バレルあたり150ドルあたりまで上昇しました。その後、30ドル台に下落し、2016年2月現在、30ドルを割り込んでいます。
 この1バレルは159リットル(42ガロン)です。

ちなみに、現在の日本の1日の原油使用料が約450万バレルなのに対して、新潟県などで産出する産油量は日量わずか3万バレルです。

 金貨は、オンス(1オンスは約30g)や2分の1オンスなどの目方を使い、金塊はg/kgを使うようです。現在の価格で、500gなら250万円、1kgならなんと500万円程度です。
 すなわち、金の価格は1gあたり5000円前後になりますね。

★「世界経済見通し」をチェックする

 

 IMF(国際通貨基金)が四半期ごとに発表している「世界経済見通し」という、とても重要なレポートがあります。
 経済紙や有力日刊紙は、必ずその数字を掲載しています。1月、4月、7月、10月の初めに発表されますが、みなさんご存知でしょうか。
 これは知っておいてください。これを見れば、世界がどちらを向いているのか一目瞭然だからです。

 

 世界経済がどの程度の速度で拡大しているかがわかるのが、この「世界経済見通し」なのです。2016年は3.4%と発表されています(前回は3.1%でした)。

この数字が3%以下だと危険だということです。
 

感想というか新社会人の皆様へ

いかがでしょうか。

今回このエントリーでは本書に紹介されている”基本の製剤数字16”から8項目紹介しています。

しかし、この8項目だけでも、現在の日本の経済状況や社会問題が浮かび上がってくると思いませんか?

このエントリーを書くにあたって、本書で紹介されているどの項目をピックアップしようかと僕は何度か読み返してみたわけですが、僕自身もすごく勉強になりました。

日経新聞に限らず、新聞に書かれているオーソドックスな経済指標を丹念に追っていくだけでもいろいろな視点がもらえるんですね。

実は僕は、もう紙の新聞を取っていません。
現代ではネットを使えば上記の指標はすべてつかむことはできるのです。
日経平均などはスマホで即座に見れますよね。

しかし、新聞のいいところは、いろいろな情報や指標を網羅して、パックになってものを手に入れることができる点です。

社会人としてある程度知識がつくまでは、紙の新聞を定期購読することをおすすめします。

で、その際、どの項目をどういう観点で読めばいいのかといった参考書として本書を使ってみるといいと思います。

毎日新聞を隅から隅まで読む時間はないでしょうから、こういった”読み方指南書”を効果的に使ってみてください。

本書はDiscover21社様から献本していただきました。
ありがとうございました。

目次

プロローグ
はじめに 「経済数字の基本のキ」を身につけよう!
CHAPTER1 知っていると「やるじゃん」と言われる基本の経済数字16
CHAPTER2 知っていると日本経済が身近になる5つの話
おわりに

関連書籍

今日ご紹介した本は、Discover21社から新しく創刊された「やるじゃん。」ブックの1冊です。
社会人1年目の方を対象にした”社会人入門書”的なレーベル。

社会人生活をスタートするにあたって、必要な情報がわかりやすく解説されています。

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