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ムーギー・キム(著)『最強の健康法 病気にならない最先端科学編』(SBクリエイティブ)【本の紹介】これは健康リテラシーを高めるための教科書だ!

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こんにちは、一龍(@ichiryuu)です。

今日ご紹介するのは、ムーギー・キム(著)

『最強の健康法 世界レベルの名医の「本音」を全部まとめてみた 病気にならない最先端科学編』 です。

ちょっと長いですが、サブタイトルまで表記したのは、実はこの本、姉妹本と2冊セットとなっていまして、今回紹介すのが「病気にならない最先端科学編」ということで、おもに病気予防に関する内容。

そしてもう一冊のほうが、「ベスト・パフォーマンス編」となっていて、ちょっとややこしいから。
そちらの方も別エントリーご紹介しますが、今回は病気予防の方を取り上げます。

ではいつものように、気になるポイントの読書メモをシェア!

『最強の健康法 病気にならない最先端科学編』の読書メモ

★健康な人が「病気予備軍」にされている―――「メタボ」「肥満」の基準を疑おう

「2008年から厚生労働省によって定められた特定健診は、当初、『医療費を3兆円削減する』という謳い文句で導入されました。ところが蓋を開けてみたら、特定健診の導入後、医療費は急増しています。特定健診の『基準』によって『フォールスポジティブ』の患者が急増したということです」

「たとえば、特定健診でとり入れられたメタボ基準です。男性では腹回りが85センチ以上ならメタボに該当します。ところが私がもっている70万人のデータや、人間ドック協会が持っている150万人のデータによると、腹囲85センチといしのは、特定健診の対象者のうち健康な人の平均値なのです。つまり特定健診では、本当は健康な人の5割をメタボと見なす基準が採用されている、ということです」

「もう一つ例を挙げると、BMIの基準です。日本の肥満学会が出している基準はBMI25以上が肥満ですが、国際基準ではBMI30以上が肥満です。国際基準に照らし合わせると、日本人の肥満の割合は3%を切ってしまう。するとビジネス上、それは困るから、BMIが25以上を肥満として、25%の人を肥満と判定しているのです」

 大櫛氏曰く、国際基準に照らせば、肥満の日本人は極めて少ないはずなのに、肥満を「売り」にして儲けるために、多くの日本人が肥満扱いされてしまっているという。

★階段を見たら健康のチャンスと思おう―――「ちょこっと歩き」で肥満を解消

「ムーギーさん、砂糖が溶けるとベタベタしますよね。あれと同じで、血液中のブドウ糖が増えすぎると、血液中のタンパク質にベタベタとくっつきAGEsとなります。これが糖尿病につながります。」

AGEsは、血管の細胞にくっついて血管を傷つける。これが糖尿病の恐ろしい合併症の始まりなのだ。

 どうしたら肥満を予防・改善できるかというと、やはり食事制限だけでなく、運動が重要だ。それも「歩くこと」が最も効果的だという。板倉氏も「1日1万歩は歩くように」と語る。

「私がよく使う駅にもエスカレーターと階段が並んでいるのですが、大半の人が階段を避けてエスカレーターの方へ流れていきます。せっかく歩くチャンスがあるのにもったいないなあと思いながらみていますね。もちろん私は階段を使いますよ。隙きあらば歩く、この意識をもつことが1番のコツなんです」

「階段を見たら、糖尿病を予防して健康になるチャンスと思え」という感じだろうか。

 ちなみに、 効果の出やすい歩幅の目安は「身長マイナス100センチ」で、「大股で、ちょっとした早歩き」が有効だという。

★最高のリーダーは、「いい腸」をもっている

「健康の面では、『いい腸』を持っている人物こそ、最高のリーダーなんです」

そのココロは、「腸内環境がよければ、脳内ホルモンのバランスもいい。したがって理論上は、頭脳明晰で統率力や判断力の向上に有利になります」とのこと。

「腸内環境をよくするには、歩くことと、食物繊維と低GI値の食事(血糖値が上がりにくい食事)を心がけること。
食物繊維が豊富で、腸内環境改善に役立つことは知られていますが、実は低GI(Glycemic Index)値き食事によって血糖値をコントロールすることが、腸内環境をよくするという研究結果もあります。
また、良好な腸内環境は、やる気を司るホルモン『テストステロン』や『ドーパミン』の分泌を向上させるなどといった働きもあるのです」

★「働きすぎ」「不眠」が突然死の二大要因

 1日11時間以上働いている人は、7〜8時間の人と比べると急性心筋梗塞の発症率が2.4倍になるという研究結果がある、という。

「1日11時間以上働いていて、睡眠時間が5時間に満たない日が週2回以上ある人は、働き方を見直したほうがいいでしょう」

★がんリスクを減少させる習慣 禁煙・体重管理・運動習慣

「喫煙は、肺がん、首やのどのがん、食道がん、胃がん、肝臓がん、すい臓がん、子宮頸がん、膀胱がんをはじめさまざまな部位のがんのリスクを上げることがわかっています。またたばこの煙には、約70種類の発がん物質が含まれています。
受動喫煙は、肺がんの確立したリスク因子であることから、他人のたばこの煙を吸わない、煙を吸わせないことも予防につながります。現に、たばこを吸っているがん患者では別の新たながん(二次がん)が発生しやすいことが明らかになっています」

「食生活や運動習慣においては、運動で大腸がんのリスクが低くなることが確実と考えられています。飲酒については肝臓がんや大腸、食道がんなどのがんでリスクを高めることから、適度な付き合いが望ましいです。

なお、喫煙者では飲酒量が増えると、さらにがん全体のリスクが高くなることがわかっており、心当たりのある方は要注意です。一方で、野菜や果物は食道や胃、大腸など消化管のがんのリスクを下げると考えられており、野菜や果物不足にならないことが大切です」

「過体重と肥満によって、食道、大腸、腎臓、子宮体、閉経後乳がんのリスクが高くなります。これは、脂肪の組織から分泌されるエストロゲンや、高インスリン状態などのメカニズムが関与していると考えられます。一方、痩せすぎによるリスクも指摘されているので、適度な体型を健康的な運動と食生活によって維持することがポイントです」

★意欲減退、頻尿、ED は「ホルモン力」で予防する 男性ホルモン「テストステロン」を高めよう

 テストステロンは、「やる気」と密接に関係している。したがってテストステロンが減ると「意欲減退」となるが、それだけではない。テストステロンが減ると「頻尿」、さらには「ED(勃起不全)」にもつながってしまうのだ。

「テストステロンは、一つには、自分が必要とされる環境に置かれれば分泌されます。もう一つには筋肉をつけると分泌が促進されます。ですから具体的には、積極的に社会参加すること、目標を伴う運動習慣をもって肥満解消すること、自分の居場所を持つことですね。頻尿の予防・改善には『膀胱ストレッチ』も有効です」

「テストステロンが減るというのは、扁桃体の蓋がパカっと開いてしまうということ。だから、モワモワ〜ッと暗い記憶が蘇って、不安に陥ったり、落ち込みやすくなったりする。こうして意欲減退になるわけです。
うつ病の原因も、これ一つとは言えないながらも、テストステロンが一つの重要ファクターであることは間違いありませんね」

「筋肉が多い人は、テストステロンが高い。逆にいえば、テストステロンが低いと脂肪が増えます。ただ、増えるといっても、脂肪細胞の『数』が増えるわけではありません。人の脂肪細胞の数は基本的に大差はなく、違うのは大きさです。その大きさを抑制しているのが、実はテストステロンなのです」

テストステロンを上げるには、リラックスしない環境、すなわち考えたり、判断したり、アピールしたりと、自分を表現する場所に行けばいいのだ。要するに、家に閉じこもらず、積極的に社会参加せよ、というわけである。

「『Shall We Dance ?』という映画がありましたよね。この映画、私は『意欲減退にうまく対処した話』と見ていますよ」

「まず、ダンスは全身運動ですね。さらに、同じ趣味の仲間ができて、ついにはコンペディションという目標ができる。この映画は、テストステロンを高める条件だらけ」

感想など

◆最強の信頼性

まず最初に本書について。
先述したように、本書は姉妹本のこちらと2冊セットの医学本、健康本となっています。



このエントリーが「病気にならない最先端科学編」、もう一冊が「ベスト・パフォーマンス編」です。

何につけても健康第一。

そして、病気を予防し常にベストコンディションを維持して最高のパフォーマンスを発揮できるように健康管理するのもビジネスパーソンの勤めですよね。

ということで、2冊セットでお読みいただくと効果的ですのでおすすめします。

さて、本書を含め2つ冊の特徴について。

当ブログでは医学本、健康本、ダイエット本などは信頼できるものしか紹介しないことにしていますが、この本はその点では完璧と言えるレベル。

といういのも、50名を超える1流の医師、専門家に内容を確認してもらい、セカンドオピニオン、サードオピニオンと3重のチェックを行っているのです。

夜に出回っているトンデモ医学本の多くは医師個人で書いているその方個人の説をグイグイ押し付けてくるものがほとんどですが、その点この本は、完璧なまでに信頼性が担保されています。

また、一線級の方々の最新の研究内容が記載されているにもかかわらず、その表現はインタビュー形式をとり入れ、ムーギー・キムさんに説明する形なのでとてもわかり易い。

さらに適宜イラストも使われていて、内容が高度でボリュームがすごい(2冊とも400ページ超え)割に、非常に読みやすくわかりやすくなっています。

◆病気予防の基本は・・・

さて、本書で取り扱う病気予防の内容は、下の目次を参照していただきたい。

いわゆる生活習慣病とよばれるものが前半のメイン。
そして後半にはアンチエイジング的な内容もカバーしています。

非常に汎用性が高い内容と言っていいと思います。

そして、読んでいて気がつくのは、再三出てくるキーワード。

「適度な運動」「睡眠」「禁煙」「栄養」「肥満予防」・・・

生活習慣病に関する内容ですから、「習慣」に関するキーワードが登場するのは当然ですが、改めてこれらのキーワードを見直すと、普段から意識していればかなり病気予防になるんですよね。

もしかすると、これらのキーワードを見て、「なんだ、世間でよく言ってる健康法と同じじゃないか」と思う方もいるかも知れません。

でも、結局これが病気予防のための最善であり、昔から言われ続けているけれど最先端の予防方法なのですよ。

つまり、真理。

なのにできない人が多いのは、それが”習慣”だからなんですよね。
とくに喫煙。

本書で取り扱う病気の殆どに関連している!

もうつべこべ言わずとっととやめましょう。

◆特別寄稿が必読!

さて、本書でぜひ読んでほしいコーナーがありまして、それがコラム。

なかでも、

特別寄稿、信じてはいけない!!「10名のヤバ医者(ヤバすぎるヤブ医者)」の実態

これは必読。

ドクターのお名前こそ伏せてありますが、僕のような田舎者でもテレビに出ているあの方だなというのは想像できたりします。

ここに登場する方たちに診察してもらうことはないと思いますが、ダメ医者やトンデモ医者を見抜く眼を養うために読んでおくことをおすすめします。

ちょっとね、健康とか医学の分野って下手すると宗教の狂信的な世界と似た世界を作っている人がいますからね。

そういう方たちに引っかからないためにも『健康リテラシー』って大事だと思います。

現代は情報格差という言葉がありますが、健康や医学に関してはネットにつながりやすい人ほど騙される可能性もあります(某キュレーションサイトの医学記事騒動も記憶に新しいですよね)。

本書のような信頼できて、しかもわかりやすい医学・健康本をぜひ「健康の教科書」として一家にワンセット常備することをおすすめします。

本書はSBクリエイティブ様からご恵贈いただきました。
ありがとうございました。

目次

はじめに
第1部 健康を護る最先端科学
健康診断/大櫛陽一(大櫛医学情報研究所所長)国民の8割が「不健康」になる「けんしん」 科学的根拠なき検査基準を過信しない
糖尿病・高血圧/板倉弘重(品川イーストワンメディカルクリニック理事長)血液と血管の健康が、「健康寿命」の要 糖尿病と高血圧は、食事と運動で予防しよう
心臓病/天野篤(順天堂大学医学部附属順天堂医院院長)ハツラツと血液循環させる心臓の作り方 「心臓病」は、「肥満解消」「休息」「禁煙」で予防しよう
がん/渡邊清高(帝京大学医学部准教授)「一億総がん時代」を乗り切る方法とは がんには、「がん検診」と「確かな健康リテラシー」で備えよう
ウィルス/畑中正一(京都大学名誉教授)遺伝子を書きかえて増殖するウィルスの実態 人類の歴史はウィルスとの戦いの歴史

第2部 若さを保つ最強の健康習慣
アンチエイジング/塩谷信幸(北里大学名誉教授)若々しさは「運動」「食事」「社交」で決まる 体、頭、心の健康維持が若々しさの元
男性ホルモン/堀江重郎(順天堂大学大学院医学研究科教授)意欲減退、頻尿、EDは「ホルモンの力」で予防する 男性ホルモン「テストステロン」を高めよう
薄毛/柳生邦良(紀尾井町クリニック院長)育毛シャンプー、ヘッドスパは、薄毛対策の効果が薄い 「気休めの産毛」に大金をはたいてはいけない
不妊治療/苛原稔(徳島大学教授)不妊症の半数近くは男性に原因あり? 「体外受精」「人工授精」の正しい知識を身につけよう
骨粗しょう症/林泰史(一般社団法人巨樹の会原宿リハビリテーション病院名誉院長)「骨」は、カルシウム、ビタミンD、Kが豊富な食事と歩行習慣で強化できる いい食事と運動で「骨粗しょう症」を予防しよう
認知症/瀧靖之(東北大学スマート・エイジング学際重点研究センター副センター長)「運動」「コミュニケーション」「好奇心」で、若々しい脳を維持 生活習慣で認知機能を守り、高めよう
人生の終わり方武藤真祐 (医療法人社団鉄祐会理事長 /株式会社インテグリティ・ ヘルスケア代表取締役会長) 最後まで「自己決定権」をもとう 「いい生き方」が人生の最後を左右する

おわりに

関連書籍

姉妹本はこちら

2冊セットでぜひ。

紹介記事はこちら

www.s-ichiryuu.com

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