こんにちは、一龍(@ichiryuu)です。
4月にライフシフトしてフリーランスとなった僕が、最初にこのブログで紹介した本は『ライフシフト』でした。
では、令和に改元されて最初に紹介する本はと考えた時、やっぱりこの本だよなということで、今日は
大野 誠一, 豊田 義博 他著『実践! 50歳からのライフシフト術 葛藤・挫折・不安を乗り越えた22人』NHK出版
を紹介します。
タイトル通り、22人のライフシフト実践例が紹介されていて、とても勇気づけられる本ですが、今回のエントリーでは、このライフシフト成功者22人に共通したポイントを紹介したいと思います。
では早速、気になるポイントの読書メモをシェア!
『実践! 50歳からのライフシフト術』読書メモ
★ライフシフト実践のための4つの法則
第1法則 5つのステージを通る
第2法則 旅の仲間と交わる
第3法則 自分の価値軸に気づく
第4法則 変身資産を活かす
★ライフシフト成功者全員に共通する「5つのステージ」
◎心が騒ぐ
◎旅に出る
◎自分と出会う
◎学びつくす
◎主人公になる
★心が騒ぐ
50 歳を前にして、あるいは定年が目前に迫るなかで、「このままでいいのか?」という違和感や焦りを抱いていた方がたくさんいました。キャリアの危機、まさに、「 50 歳は人生の正午」です。
「心が騒ぐ」のは、誰しもあることだと思います。しかし、多くの人は、その心の動きを、自分の中で言い訳をつくって、やり過ごそうとします。「そうはいっても、この仕事を続けるしかない」「自分としては不本意だが、仕方ない」「これぐらいのことは、我慢するしかないだろう」「この程度のことは、気にしないでおこう」というように、です。
しかし、この22人は、心のざわつきを、自分の中でしっかりと受け止めています。違和感、不全感、未達成感、動揺、危惧、焦燥・・・そうした心の動きから逃げずに、受け入れています。そして、それが、次なる行動を生み出す原動力となるのです。
★旅に出る
「旅に出る」といっても、文字どおり今いるところを離れてどこかに行くことを指しているのではありません。何か、今までと違うことを始めたり、今までと違う状態になったりすることです。そして、旅の目的は、往々にして明確には決まっていません。
旅立ちのしかた、旅の中身はいろいろですが、とにかく一歩踏み出す、そして、先が見えない状況をきちんと自分で受け入れているのが共通点です。そして、その行動やモラトリアムの状態が、次なる進路を見つける機会をもたらすのです。
★自分と出会う
いよいよ、ライフシフトの核心部分。自分はどのようにあればいいのか、どんなことをすればいいのかという自身の価値軸に気づくプロセス、それが「自分と出会う」です。
では、「自分と出会う」とは、やりたいことに気づけばいいのでしょうか。もちろん、何がやりたいかに気づくことは大切です。しかし、単にやりたいと思うことだけでは、自分に出会ったことにはなりません。自分自身の強い想いや信念、問題意識と出会うことが大切です。なぜそれをしたいのか、という理由や動機に気づくことが大切なのです。
自身がどのような志向や特性を持っているのかは、実はわかっていないもの。それは、多くの人が会社の意向や指示を受けて働くという限られた経験しかしていないからでもあります。自身の価値軸を見出して、自分がやりたいことを自分で決めて自分で実行すると、それまでは表に出ていなかった「眠っている自分」が引き出されるのです。 「自分と出会う」ステージで、もう一つ大切なポイントがあります。それは、すべての人が「自分の中にあるモノ」と出合っていることです。過去の仕事経験、子どもの頃の体験、趣味や嗜好、故郷などなど。 50 年にわたって生きてきた人の心の中には、自身の価値軸がすでにあるのです。自身の経験や想いと関係ないことを、無理やりやろうとしてはいけないのです。
★学びつくす
自分と出会い、どうありたいか、何をなしたいかがわかってくると、それを形にする、実行するためには、自分の知識・スキルを高める必要があることに気づきます。学ぶしかありませません。
日本には、「学び」の良質なコンテンツがないから、人は学ばないのだ、という定説がありますが、それはきっと、学んでいない人が考える言い訳にすぎません。自分と出会い、自身の価値軸を見つけた人には、学びたいことがたくさん見つかるのです。
学びは、何かを成し遂げるための手段。だから、その何か、つまり、自身の価値軸が明確に定まれば、そして、それを本気で成し遂げようと思えば、人は学ぶのです。学びつくすのです。問題は、何を学ぶか、なぜ学ぶかに気づくことなのです。
学びとは、試行錯誤しながら、何かを形にしていくプロセスでは必ず必要になってくるもの。日本人は、創意工夫や改善にとても長けています。つまり、もともと「学び好き」なのです。
★主人公になる
4つのステージを経て、いよいよライフシフトの最終ステージです。新しい人生、新しい仕事を軌道に乗せるために、いろんなことを形にしていくことが求められます。自分の人生の主人公になって、自分の仕事、自分の人生をマネジメントしていくことが求められます。
マネジメントと聞くと、管理することを思い浮かべがちですが、マネジメントという言葉の意味はそうではありません。何とかする、という意味です。限られたお金や時間、人材を何とかやりくりしながら、目的の実現に向けて、何かを成していくことです。
「主人公になる」のは、仕事だけではありません。人生全体の「主人公になる」ことも大切です。自身の志や信念に基づく仕事に気持ちも時間も全力投球、という人もいますが、仕事に追われる人生をこれ以上続けたくない、自分の人生をもっと豊かなものにしたい、という人もたくさんいます。
★50歳までの人脈は使えない?
書籍『ライフシフト』には、変身資産という言葉が出てきます。変化し、成長し続けるための意思と能力と定義されています。そして、その代表的なものとして、「多様性のある人的ネットワーク」が重要だ、と記されています。
人脈が大切だ、というのは、昔から誰もが言うことです。毎日会ってるような強い絆で結ばれた人ではなく、ごくたまに会うような人がキャリアチェンジには有効なのだ、という学説もあります。しかし、この22人の変身の物語は、その定説を大きく覆しています。それまでの人脈ではなく新しい人たちとのつながりが、多くの人の変身ストーリーを作り上げています。
★ライフ・シフトの鍵となる10の変身資産
・ とにかくやってみること
・ どんなことからも学んでいること
・ 学んだことを捨てられる勇気を持っていること
・ 違和感を大切にすること
・ みんなと同じじゃなくても平気なこと
・ 3つ以上のコミュニティに所属していること
・ 有意義に公私混同していること
・ 自分についてよく知っていること
・ 自身の人生時間を自分でマネジメントしていること
・ 人生に起きる変化を楽しんでいる
感想
◆ライフシフトに王道なし
本書では22人の実践例が紹介されていますが、全て読んでみてまず感じたのは、「正解はない」ということでした。
本当にライフシフトまでのキャリアもさまざまですし、シフトした方向もさまざま。
また、それまでの経験を活かした方もいれば、全く別の道に進んだ方もいるし、希望しなかった仕事でやりがいを発見した人もいます。
結局、ライフシフトが成功するかどうかに王道はないんですね。
ただ、これら実践者の共通点をポイントとしてこのエントリーではシェアしましたが、さらに絞り込むと3つの重要な因子が浮かび上がってきます。
「多様性のある人的ネットワーク」と併せて「新しい経験への開かれた姿勢」が大切であり、そのためには「自分がどういう思考や価値観、行動特性を持っているかを知っていること」
外へのつながりと行動力、そして内面への深い洞察。
よく、天職を煽るブロガーさんとか、フリーランスで成功している方が、
行動! 動け!動け!
と言ってますよね。
それは間違いではないのですが、自己分析というか、自分の内面への洞察を言う人はあまりい内容に思います。
といっても、行動しないと内政する材料もないわけで、結局この2つは表裏一体なんですね。
40代、50代で、今現在ライフシフトを考えているという方は、仕事の傍ら、仕事以外の場でいろいろ体験する場を増やすことから始めてみてはいかがでしょう。
そこで、なにか感じるものがあったら、それがあなたへの天啓かもしれません。
最後に、僕自身のこと。
僕は結構見切り発車的に仕事を辞めてしまい、けっこう無茶だったたかなと思うこともありますが、本書に登場する22人の中にも、そういう方がおいでて勇気づけられました。
なんとかなるもんですよ。
目次
はじめに 50歳は「人生の正午」
序論 「人生の主人公」になるための8つの価値軸
本篇 自分の価値軸を見つけた22人の転身ストーリー
価値軸1 人を育てる
価値軸2 好きを仕事に
価値軸3 社会に貢献
価値軸4 手に職をつけたい
価値軸5 海外とのかけはしに
価値軸6 故郷に帰る
価値軸7 住みたいところへ
価値軸8 家族とともに
結論 ライフシフト実践のための4つの法則
関連書籍
併せてこちらもお読みください。