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岩田温(著)『偽善者の見破り方 リベラル・メディアの「おかしな議論」を斬る』イースト・プレス社【本の紹介】真のリベラルの誕生こそが日本の政治をバージョンアップさせる

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こんにちは、一龍(@ichiryuu)です。

今日ご紹介するのは、岩田温(著)『偽善者の見破り方 リベラル・メディアの「おかしな議論」を斬る』です。

この方の本は今回初めて読ませていただいたのですが、もうスッキリ痛快。
いつも感じていた自称リベラル派に対するモヤモヤとした違和感の原因をすべて言語化してくれているのです。
なんか、100年の便秘が解決したような爽快感(笑)。

とにかく早速、気になるポイントの読書メモをシェアいたしましょう。

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岩田温(著)『偽善者の見破り方 リベラル・メディアの「おかしな議論」を斬る』読書メモ

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非常にボリューミーな本で、しかも僕のもやもやを言語化してくれている箇所が多すぎたので、今回の読書メモは特定の自称リベラル派の偽善を見破る箇所ではなく、一般論としてリベラルのおかしな点を的確に言い表している箇所をメモしました。

 元号が「帝王が時間を支配することを目的として作られたもの」だと批判するのならば、日本人の多くとはかかわりを持たない一宗教の人物の生誕を基準とする西暦に対しても批判の声を上げるのが当然ではないだろうか。「天皇が時を支配するのはけしからん」と言いがかりをつけるのであれば、「一宗教の偉人が時を支配するのはけしからん」と批判の声を上げてしかるべきだと思うのだ。それでこそ論理的一貫性が保たれるというものだ。

 国民の期待を裏切り、没落した野党勢力がなすべきなのは、自らの明確な理念、目標を掲げることだ。かつての社会党を髣髴させるような態度で安全保障政策を語ることが野党の役割ではないはずだ。安倍政権が集団的自衛権の一部を行使容認した際に、彼らは絶叫した。「立憲主義を破壊する」「徴兵制が敷かれる」等々。野党勢力の過激な言説は、確かに一部の極端なイデオロギー信奉者を熱狂させたかもしれない。だが、多くの国民は、こうした過激な言説を繰り返す政党、知識人に期待を寄せなかったし、そうした熱狂を冷ややかに眺めていた。国民が望んだのは過激で極端なスローガンではなかった。
 国民のほうが成熟していたのだ。

 野党勢力に必要なのは、自民党のスキャンダル探しに血道を上げることではなく、自民党との理念の差異を明確にすることだ。自民党と野党では目指すべき社会がどのように異なるのかを明確にすべきだろう。自分たち自身が「保守」ではなく「リベラル」である根拠、その意義を堂々と主張すべきであろう。かつての社会党のように現実感覚を完全に喪失したかのような安全保障政策を語るのではなく、常識に基づいた安全保障政策を語りながら、自らの信じる「リベラリズム」の意義を語ればよい。また、その一方で、野党勢力があくまで共産党とは異なる点も強調すべきであろう。共産主義を信奉する共産党とその他の野党の差異がどこにあるのかを明確に打ち出すべきだ。彼らは「保守」でも「共産主義」でもないリベラリズムを語るべきなのだ。

 民主主義体制は非常に脆い政治体制であり、暴走しやすい政治体制でもある。民主主義体制が陥りやすい危機は、偉大なフランスの政治思想家アレクシ・ド・トクヴィルが指摘したように「多数者の専制」という事態である。多数者の意見が少数者の意見を圧殺することがあってはならない。権力とマスメディアが単純な構図を生み出し、大衆が熱狂する事態は、決して成熟した民主主義国家のあるべき姿ではない。

 老ジャーナリストが、かつての派閥政治の合従連衡を懐古するのは自由だ。彼らが思い出すのは甘美な思い出ばかりかもしれないが、弊害も大きかった。派閥の領袖に気兼ねし、総理大臣が強い指導力を発揮できなかった中選挙区時代の論理で、小選挙区時代の安倍総理を批判するのは、率直に言って時代錯誤なのだ。

 現代民主主義の長所でもあり、短所でもある特徴は、知性の有無によって投票者を差別しない点にあると言っていいだろう。賢い人の判断だけが必要だと言うならば制限選挙を実施するしかないが、そうした制限選挙を求める人は少ないはずだ。一定の試験を突破した知的で優れた人のみが政治家になる被選挙権が与えられ、同じく試験を突破した知的に優れた人のみが選挙権を与えられるという仕組みを支持する人はいないだろう。どれほど政治に通暁した専門家であっても一票、政治にはまるで無関心だがなんとなく選挙に行った人も一票。確かに馬鹿馬鹿しいように思えるが、民主主義とはそういうものなのだ。

 誰もが共通の歴史認識を持つべきだと考えるその姿勢が嫌いだ。各人の自由で良いではないか。少なくとも、あなたがたがそういう考えを持つことを否定するつもりは毛頭無いから、少なくとも、こちらにも解釈の自由を残しておいてほしい。こうした声明を見て思うのは、総理大臣が歴史認識を談話として発表すること自体への違和感だ。どんな歴史認識を抱いていようが、それはその人個人の認識であって、日本国民の共通の認識ではない。日本国民すべてが、共通の歴史認識を持つべきだという発想そのものが、全体主義的で、自由を侵害する発想だと言わざるを得ない。それぞれの自由に委ねるのが賢明な態度だろう。

 日本におけるリベラルのアキレス腱は安全保障政策に他ならない。
 彼らは社会的弱者の権利を守ることや労働問題に熱心に取り組むが、議論が安全保障政策に及ぶと、突如として極端な解釈に終始し、「第9条を守れ!」「立憲主義を破壊するな!」とスローガンを繰り返すだけで、現実的な安全保障政策を語らない。
 安全保障政策における極論を廃し、現実主義的なリベラルに生まれ変わることこそが重要なのだが、民主党はその逆の方向に舵を切っているように思われてならない。

 日本では「リベラル」とは、特別な意味で語られることが多い。これが厄介だ。「憲法第9条を守っていれば平和が維持できる」「集団的自衛権の行使容認で徴兵制がやってくる」といった、非現実主義的な平和主義を信奉する人々を「リベラル」と呼ぶことが多い。
 こういう人々は本来「保守」でも「リベラル」でもない。愚かなだけである。日本列島に生き残る「ガラパゴス左翼」と呼ぶべき勢力なのだ。彼らの特徴は極端に非現実的な主張であり、妄信的に憲法第9条に拝跪する様は、一種の宗教儀式を連想させるものだ。

 この「吉田ドクトリン」(安全保障政策では日米同盟を基軸とし、安全保障費を抑え、経済成長を重視する)は、日本にとって永久に最善の戦略であり続けるわけではない。焼け野原となった国土を復興させるため、当時としては最善の選択であったかもしれないが、最善の戦略は状況によって変化する。状況の変化を的確に理解しながら、戦略を変化させていくのが政治の役割である。「変わらないためには変わり続ける」ことが重要だ。すなわち変わらずに生き残るためには、状況に応じて自らの戦略を変え続ける必要がある。

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感想

◆リベラル派には日本へのリスペクトがない

僕はこのブログではできるだけ政治色は出さないようにしてきたが、この本に関しては自分の信念や価値観を表に出さなくては語れないだろう。

僕は自分のことをいわゆる「保守」だと自覚している。

若い時にはそういう自覚はなかったが、25歳で教師になった時に組合に誘われ、そのチラシを読んだときに直感的に「これは違う」と嫌悪感をいだき、以後退職するまで一度も組合に入らなっかったことを考えると、生まれついての基質なのかもしれない。

なので、最近だと元号が変わるときに、お祝いムードが盛り上がる一方で、元号不要論とか西暦にしてしまえみたいな意見も噴出した時には我慢ならず、noteにこんな記事を書いた。

誰がどんな意見を持ってもいいし主張してもいい。
それを批判する気はない。
だからこちらの主張も批判しないでほしいのにどうも自称リベラルな方たちは、自分の考えを押し付けてくるし、その多様性をみとめない狭量な考えには嫌悪感を感じていた。
ただ、感じている嫌悪感の理由をうまく言語化できなくて、ずっとモヤモヤしていた。

しかし、本書冒頭部分の鳩山由紀夫氏に対する批判が僕のモヤモヤを吹き消してくれた。

 鳩山氏には日本の政治家として最も大切な部分が欠如していると痛感するからである。ほとんどの著作を通じて鳩山氏から日本への愛情を感じることができないのである。我が国の歴史と伝統の重みを体感するという政治家としての当然の心構えがないのだ。

「鳩山」を「自称リベラル派」に読み替えれば納得できたのだ。

なぜ彼らの主張にはモヤモヤがついて回るのか、それは我が国へのリスペクトがないからなのだ。
そしてそれは同時に、アイデンティティの欠如すら感じさせられる。

辛辣に言ってしまえば、上辺だけで中身が無いのだ。

◆憲法改正を争点に徹底的に議論し、選挙で信を問え

ちょうど昨日映画「空母いぶき」を見てきたところなので、憲法9条に関しても書いておきたい。

憲法9条に縛られ、本来は効果的な打撃ができる実力を持つ自衛隊が、我が身を危険に晒しつつ、敵ができるだけ死なない攻撃を選択するシーンが続く。

このとき本書のこの一説を僕は思い出していた。

 本来であれば、自らの身を危険に曝すことなく、任務を遂行できるはずの自衛隊もわざわざ生命の危険に曝してまで守る「憲法第9条」「平和主義」とは一体何なのか。

僕は改憲賛成だ。

世界史的に観ると、憲法というのは主にイギリスに於いて権力者の暴走を食い止めるために作られたてきた法律であり概念だ。
それは国家の最高法規であり、絶対に守らなければならない、いわば国家の安全装置である。

しかし、日本国憲法第9条は、まともな文章読解力がある人なら誰が読んでも自衛隊は違憲となる。
それを「生存権」を根拠に自衛のための最小限の武力は合憲であると解釈して、自衛隊を運用している。

誰がどう見ても自衛隊は軍隊であり、その実力集団が憲法に記載されていないというのは恐ろしい状態なのだ。

ならばとるべき道は2つしかない。

1つは自衛隊を解散すること。
もう1つは現状に合わせて憲法を改正することだ。

念仏のように「憲法9条を守れ」と唱える野党に本当にお聞きしたい。
ではどうやって国を守るのかと。

ぜひ徹底的に議論していただき、憲法改正を国民の判断に委ねてもらいたい。

◆保守が光るためにリベラルもバージョンアップする必要がある

もともと保守である自民党が改憲をすすめ、革新である共産などの野党が護憲という捻れた状態の上に、左翼とリベラル思想が結び付いているため、日本のリベラルはちょっと特殊だ。

まぁ、それぞれの国に、独自のリベラルというものがあってもいいとも思うが、ちょっと日本のリベラル派は絶望的である。

本書でも触れられているが、今若者の保守化が進んでいるそうだ。
これは手放しで喜べない部分がある。

実は僕は若者はリベラルでもいいと思っている。

永江一石さんがブログでこんなことを書かれている

「若者のうちはみんな左に走る。だが、オッサンになっても左のままのヤツはアホウだ」(永江意訳)

で、この永江さんの意訳の原文は

「もしあなたが25歳のときにリベラルでなかったら、あなたは心がない。もしあなたが35歳のときまでに保守ではなかったら、あなたは脳がない。」

これだと思いますが、実はこれをチャーチルが言ったという証拠はない。

ただ、気持ちとしてはわかるのだ、正義感の多感な若者はリベラルに惹かれるだろう。
それもいいと僕は思う。

しかし、若者が保守を支持するという現在の日本の状況は、いかに左派が魅力がなく、言っていることに説得力がないかを証明しているような気がする。

右と左があって、お互いが切磋琢磨してこそ全体的にレベルアップするというもの。

「変わらないためには変わり続ける」 というのは保守の本質を表現したものだが、日本の今の政治的不幸はこれを実践できないリベラルに責任の一端があるように思う。

リベラルとよばれる方たちこそぜひ読んでほしい本である。

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本書はイースト・プレス社様からご恵贈いただきました。
ありがとうございました。

目次

はじめに 自分たちと意見が異なる他者を徹底的に弾圧する
「リベラル」を自称する人々の正体
第一章 政治家、評論家の偽善を斬る
・悪夢の民主党政権の始まり「鳩山由紀夫」氏の政治思想
・「バリバリの保守」だと詐称する蓮舫氏
・いきなり脱原発を言い出しても不思議ではない「変人」小泉純一郎氏
・自らの信念を語らない小泉進次郎氏
・築地、豊洲市場移転問題で化けの皮が剥がれたポピュリスト
・小池百合子氏 ・政治とは何かをまったく理解していない石破茂氏
・若者を愚民視する「リベラル」映画監督・森達也氏
・国民を馬鹿にする老害・鳥越俊太郎氏
・まったく公正、公平、中立ではないジャーナリスト・池上彰氏
第二章 メディアの偽善を斬る
・カンボジアPKO派遣の悲劇を反省していない朝日新聞
・マッカーサー書簡をあたかも大発見かのように報道した「東京新聞」
・反安倍一色のテレビ・ワイドショー 第三章 「憲法改正」ニュースのおかしな議論
・現実を直視せずに偽りの立憲主義を叫ぶ野党
・「憲法改正」を選挙の争点にしようとしない野党
・共産党と手を組んだら立憲主義は成り立たない
・集団的自衛権は立憲主義に反しない
・自衛隊を違憲と認めながら、改正を必要としない野党
・憲法に自衛隊の存在を明記しなければいけない理由
第四章 「安倍政治」ニュースのおかしな議論
・戦後七十年の安倍談話に「侵略」の文言を加えろと主張する学者たち
・「一億総活躍社会」にも難癖をつける野党の愚かさ
・民主党と維新の党の合併は「社会党」への先祖返り
・「オスプレイ派遣」を素直に喜べない野党政治家
・安倍政権の独走を許す野党の迷走
・宗教化している日本特有のガラパゴス左翼
・旧民主党にはなかった義理
・人情を大事にするのが自民党政治の強さの秘訣
・翁長雄志前沖縄県知事の県民葬で非常識ぶりを露呈した「リベラル」たち
第五章 「安全保障」ニュースのおかしな議論
・安倍内閣の集団的自衛権容認は、後世に評価される見事な決断
・北朝鮮が脅威とは絶対に言わない日本共産党
・「攻撃されても一切反撃するな」と説く平和ボケの野党議員
・決して不磨の大典ではない「非核三原則」
・将来の紛争に備え、日本も核兵器武装を検討すべし
第六章 「国際関係」ニュースのおかしな議論
・法よりも反日感情が優越する韓国
・北朝鮮相手に同じ過ちを繰り返してはいけない
・前提条件なしに南樺太をロシア領だとするセンター試験
・韓国の女性家族長官の史実に反した「性奴隷」発言
・金一族の思想を読み解けば、北の核廃棄はありえない
・朝鮮専門家の見識はあてにならない
・金一族の正統性が揺らぐ核放棄
・「吉田ドクトリン」を見直す時期
・在韓米軍撤退もありうる不安定な朝鮮半島情勢
・「韓国は異様な反日政策を取っている」発言を政治的だと批判する「リベラル」
・慰安婦問題と同じ構造のレーダー照射問題
・自分たちの非を絶対に認めない韓国
・「約束を守らないのが朝鮮人の本質」と百年前に喝破していた福沢諭吉
・朝鮮に気がねして西郷隆盛を貶めるな
・国際政治の常識が通用しないトランプ氏と鳩山由紀夫氏
第七章 「イデオロギー」という名の偽善を斬る
・「反知性主義」を誤用する人たち
・ナチスを髣髴させる障害者差別発言の教育委員
・「女性に数学は不要」と露骨な女性蔑視の鹿児島県知事
・国連に対する日本政府の抗議をなぜか糾弾する共産党議員
・人権を錦の御旗に皇室廃絶をたくらむ学者たち
・小さな「正義」が跋扈する不寛容な現代社会
・「リベラル」が夢想する「多文化共生社会」を打ち砕く移民の現実
・被害者とその遺族に対する想像力が欠けている死刑制度廃止論
・自らも殺人を犯した無期懲役囚の死刑擁護論
・死刑制度を哲学的に考える
おわりに 〈彼ら〉は善く生きようなどと思ってはいない。
善く生きているように思われようとしているだけだ。

関連書籍

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