僕の中学から高校生の時の楽しみは映画だった。
ビデオデッキなるものが世に普及し始めていたが、田舎の事ゆえレンタルビデオ屋もまだ近所になく、またできても高額だった(自転車で行ける範囲で初めてできたレンタルビデオ屋はレンタル料一本500円だった)。
一方映画館は3件ほどあり、田舎のため新作は封切りから半年ぐらい遅れて上映されるのだが、3本立てで1000円というお得さ。
だから、月に一回ぐらいは半日以上映画館にこもって楽しんだ。
それに、浪人時代はよく昼から映画館に行って気分転換したものだ。
そんな僕は今までに一体何本映画を見たかわからない。
だが、ブログで映画の感想を書くようになって、友達からおすすめ映画をまとめた記事を書いてほしいと頼まれたのをきっかけに、どんな映画をおすすめしようかと頭の中で考えるようになった。
専業ブロガーになって時間ができたので、やっと今回記事にまとめることにした。
しかしこの作業が予想を遥かに超える大変さ。
まず100本を選ぶのにすごい時間がかかってしまった。
ましてやランキング形式にしたので余計に手間がかかった。
それでもこの記事の作成は楽しかった。
映画が記憶のトリガーなっていて、1本の映画からいろいろなことを思い出すからだ。
彼女と見た映画は彼女のことを、浪人中の映画は浪人生活を、音や匂いと一緒に鮮明に思い出すのだ。
あらためて気がついた、僕の人生は映画とともにあったんだと。
そんな自分語りはいい加減にして、この記事の少しだけ約束事というかルール的なものを書いておく。
シリーズ物はシリーズ全体で一本と考えてもらいたいが、記事中ではその中でもイチオシのものをリンクに貼ってある。
また、今回はAmazonプライムビデオにラインナップされているものは、アイキャッチがわりにそのリンクを貼らせていただいた。
それは僕が今は主にAmazonプライムで映画を観ているからだ。
また、AmazonプライムにラインナップされていないものはDVDのAmazonリンクを貼っている。
では早速紹介していこう。
映画好きな僕が選んだ、令和になっても観てほしいおすすめ映画100選
第100位:燃えよドラゴン
僕の世代は男の子ならみんなプラスチックのおもちゃのヌンチャクで遊んだものだ。
李小龍(ブルース・リー)の影響力はすごかった。
彼のキレのある動き、独特の気合い、そして悲哀に満ちた表情と、すべてが男を惹きつけずにはおれない人だった。
彼には数々の逸話がある。
たとえば、カンフースターは「本当に強いのか?」と喧嘩をふっかけられることが多く、みんなボディーガードをつけているが、彼は自分で相手をして、そしてノックアウトしたという。
そうせずにはおれない心の闇が、あの悲しげな表情に出ているのかもしれない。
第99位:少林寺
ジェット・リーことリー・リン・チェイのデビュー作。
当時、動きの遅い香港カンフー映画ばかりだったから、この映画の出演者たちの素晴らしく早い動きは衝撃だった。
しかも、北派系の拳法をスクリーンで見るのは新鮮だった。
僕は中学3年の終わりにこの映画を見て、「人間は鍛えたらこんな動きができるのか」と感動し、高校生から格闘技の世界に入っることになる。
ある意味、僕の人生を狂わせた作品だ(それさえなければ浪人しなかったかもしれい)。
なお、リー・リン・チェイは現在闘病中らしい。
1日も早く回復して、元気な姿を見せて欲しい。
あなたは僕の人生を変えた人なんだから。
第98位:刑事ニコ
今はでっぷりと太ってしまい、”全く動かないアクション”という新境地を開拓中だが、この作品の頃のセガールの格闘シーンは突出している。
彼は空手と合気道の高段者で、FBIや軍隊に指導に行くような本物の武道家だ。
その彼がスクリーンで見せる技は、見せるための技ではなく、人を倒すために無駄を削ぎ落とした実戦の技なのだ。
なので、彼が格闘シーンで見せる技は素人が見てもわからない。
速すぎる上に、なんで相手が倒れたかわからないのだ。
しかし、少しでも武術を、とくに関節系の技を知っいる人ならその異常にレベルの高い技に驚愕するはずだ。
アクション映画は無数に存在するが、スクリーン上で本物の実戦の技を見ることができるのはこの頃のセガールの作品だけだろう。
ちなみに、僕が棒術を習った先生はセガールに棒術の指導をしたことがある。
なので僕は勝手にセガールと兄弟弟子だと思っている。
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第97位:UDON
うどん県民必見の映画。
映画史に残る数々の名作を抑え、この作品がランクインしているのは、僕がうどん県民だからである。
知り合いのうどん屋の大将が登場していたり、僕の元上司がエキストラで出演していたりするという事情もある。
この映画にはうどんにまつわるいろいろなエピソードが登場するが、すべて本当の話である。
まさに恐るべきさぬきうどんだ。
ちなみに、この映画以後、出演者のトータス松本さんは時々お忍びでうどんを食べに来県されている。
第96位:スターシップ・トゥルーパーズ
SF好きの間では有名な作品。
評価の分かれる作品であることは僕も認める。
はっきり言っておバカ映画だし、特にシリーズ2作目以降は駄作だと僕も思っているが、この1作目だけは僕は評価している。
映像表現はなかなか侮れない。
特に虫の大群の表現は圧巻だ。
グロイのが大丈夫な方は見てもらいたい。
第95位:恋しくて
大学生の時に見て大好きだった映画。
当時、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」で一躍スターになったリートンプソンが出演している青春恋愛映画。
ただし、彼女は恋敵役だ。
もう一人の女の子がとてもいじらしくて、かわいい。
恋に恋する世代に見てほしい作品。
第94位:ローマの休日
プラトニックラブストーリーの不朽の名作。
美男美女のローマのデートシーンは見ていると自然と頬がゆるむ。
とにもかくにもオードリーの魅力がすごすぎる。
彼女を超える美しい上に気品のある女優さんって今後ももう出ないんじゃないかと思ってしまう。
第93位:眼下の敵
アメリカ駆逐艦とドイツUボートのそれぞれの艦長の駆け引きが手に汗握る名作。
アメリカ海軍が全面的に撮影に協力しているので、映像に迫力がある。
ドイツ軍=悪者と表現しなかったのもいい。
戦争映画の金字塔だ。
第92位:世界の中心で、愛をさけぶ
「せかちゅう」という言葉を流行させた作品。
悲しい恋愛ストーリーで映画自体も良くできている。
だが、僕にとってはとにかくこのときの長澤まさみが可愛すぎる作品なのだ。
それと、この作品は香川県にゆかりの作品でもある。
冒頭のスクーターや防波堤のシーンは庵治町で、そして空港のシーンは高松空港で撮影されている。
僕は今でも高松空港に行くと心の中で「たすけてくださーい」と叫んでいる。
それにしても森山未來め、うらやましすぎる。
第91位:モテキ
「せかちゅう」では清純可憐な長澤まさみが、この作品では大人の色気全開となる。
目覚めのシーンは、この状況で落ちない男は全世界に一人もいないだろうという名演技だと思う。
まぁ、話自体はそんな深い映画でもないが。
やっぱり森山未來か・・・、もう許さん。
第90位:ゴースト ニューヨークの幻
自分が死んだ後も恋人を守ろうとする物語だが、そうしたくなるほど恋人役のデミ・ムーアがかわいい。
最後のお別れシーンは号泣ものだ。
僕は映画館へ女の子と見に行ったが、隣でラストシーンに涙している彼女の横で、僕はおしっこが漏れそうになって、必死で膝を震わせながら我慢したのお覚えている。
生きた心地がしなかった。
デートでおもらしなんてシャレにならん。
教訓:映画を見る前は必ずトイレを済ませておこう。
第89位:パイレーツ・オブ・カリビアン
ジョニー・デップのキャプテン・ジャック・スパロウがすばらしい。
やはり彼は異能の天才俳優だと思う。
映像もさすがディズニークオリティ。
ただ、このシリーズは回を重ねるごとにだんだん変になっていく。
3作目以後はいらなかったんじゃないかな。
やっぱり1作目が一番良かった。
第88位:十戒
映画史に残る名作ということで、見ておかなければならない作品である。
今でも高校世界史の資料集にはこの映画の海が割れるシーンが掲載されている。
モーセの出エジプト記をできるだけ旧約聖書に忠実に映像化している作品なので、教養映画としても観る価値がある。
一神教の根本的な精神部分という日本人にとって苦手な領域の一端を見ることができる思う。
神の意志を粛々と実行していくモーセの姿に、思考停止と一種の恐怖を感じるのは僕だけだろうか?
このブログでの紹介記事
第87位:ウルフ・オブ・ウォールストリート
もうとにかく、金と女とドラッグのひっちゃかめっちゃかな映画。
アメリカ人のこういうお馬鹿なノリの成功ストーリって、けっこう僕は好き。
主演のレオナルド・ディカプリオは長い間アカデミー賞を取れず、無冠の帝王状態だったが、ものすごく真面目でシリアスな「レヴェナント」で念願のアカデミー賞をやっと受賞した。
あれは見事な演技だったことは間違いない。
けれど僕個人的には、彼はこういうおバカ映画で真骨頂を発揮すると思っている。
第86位:オブリビオン
多分あまりヒットしなかったと思うんだけど、これSFの隠れた名作なんじゃないかな。
映像も美しいし、ストーリーもサスペンスがかってて凝っている。
SF好き、トム・クルーズファンなら絶対見るべき。
第85位:ドラゴン・タトゥーの女
記者役のダニエル・クレイグとパンクな天才ハッカー役のルーニー・マーラが異色のコンビを組んで、財界の秘密に迫る手に汗握るサスペンス・アクション映画。
特筆すべきはルーニー・マーラのぶっ飛んだ演技。
この作品以前に出演した「ソーシャル・ネットワーク」や、以後に出演した「キャロル」を見てもらえばわかるが、恐ろしく役作りに幅のある女優だ。
とても同一人物とは思えない。
なお、久々に「ドラゴン・タトゥーの女」は新作が登場するらしいのでそちらも楽しみ。
第84位:Uボート
潜水艦映画の名作。
狭く密閉された空間で長期生活しつつ、困難な作戦に挑む男たちが描かれている。
食事のシーンでレモンをしゃぶり尽くしてビタミンを摂っていたり、通路に食料が積まれていたりと当時の潜水艦乗りの生活も再現されていて、歴史映画として楽しめる。
第83位:イコライザー
一種の特殊能力を持った凄腕の元CIAエージェントが、警察では解決できない不正と対決していく物語。
スーツを着ないバットマン、あるいはアメリカ版必殺仕置人といったところか。
とにかくデンゼル・ワシントンが渋くてかっこいい。
ツッコミどころはいろいろあるが、何も考えずに楽しむことをおすすめする。
この作品を見るとホームセンターに行きたくなるはずだ。
シリーズ2作目もよかった。
第82位:ビッグ
僕がトム・ハンクスと出会ったのはこの作品。
ある女の子からクリスマスプレゼントにこのビデオテープをもらったのがきっかけだった。
魔法で突然大人になってしまった主人公をトム・ハンクスが見事に演じていて、「この役者うまいなぁ」と感心したものだが、その後の彼の活躍は説明するまでもないだろう。
ほっこりしたいときに観るといい。
第81位:2001年宇宙の旅
いまさら説明するまでもないSF映画の金字塔だ。
見てもらえばわかるが、これが1968年の作品だということが驚異的。
映像、音楽の素晴らしさはもちろん、たとえば宇宙飛行士がタブレット端末を使っていたり、物語終盤の人工知能HAL9000型コンピュータとの対決など、未来を正確に予測したような内容は驚愕に値する。
続編はこちら
第80位:ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男
第2時大戦初期、チェンバレンから首相を引き継ぎ、ヒトラーに対して徹底抗戦を呼びかけるにいたるまでのウィンストン・チャーチルを描いた作品。
地下鉄のシーンは特に感動的だが、これが史実だというのだからすばらしい。
やはり世界で最初に議会制民主主義が根付いた国なのだと感じる。
実際のチャーチルは人種差別的な思想も持っていたので、この作品では良く描き過ぎという気もしないではないが、歴史教養的に観るのもいいと思う。
特殊メイクで日本人の辻一弘がアカデミー賞を受賞した作品でもある。
第79位:エクス・マキナ
SF作品なのだが、もう近未来に実際に起こりそうな内容だ。
人工知能を搭載したアンドロイドが自分の意思を持って行動する、その危険性を感じさせてくれる。
おそらく一家に一台アンドロイド時代が来ると思うが、人間とアンドロイドの関係基準をしっかり構築しないとこの映画のようなことになりそうだ。
アンドロイド役のアリシア・ヴィキャンデルが好演している。
第78位:ジュラシックパーク
「恐竜が動いてる!」
この作品を始めてみたとき、大人の僕でさえも、恐竜が動いているというたげ感動した。
大人でさえそうなのだから子どもたちに与えた影響は計り知れないだろう。
この作品をみた子供たちの中から、未来の古生物学者がでるといいなと思う。
映画には人生を変えるパワーがあると思っているから。
第77位:アバター
デジタル3D映像の魅力を世に知らしめた、映画の技術史にとってマイルストーン的な作品。
監督のジェームズ・キャメロンはこういったマイルストーンを何個も打ち立てている映画の技術革新史上の革命児だ。
ちなみに僕の映画人生での後悔の一つが、この作品を映画館で観ていないこと。
公開時に妻と子供にいかにこの作品が観ておかなければならない作品かを力説したが、だれも一緒に行ってくれなかったのだ。
それ以来、観たい作品は一人ででも行くようになった。
第76位:トップガン
パイロット役のトム・クルーズのかっこいいこと。
音楽も流行ったし、彼が乗るNinjaも排気量こそ違えど国内でよく売れた。
一種のトム・クルーズブームを起こした作品だ。
軍隊が全面的に協力するこういう作品を見ると、いつもアメリカという国が羨ましくなる。
なお、続編が制作されているという。
トム・クルーズが教官になるらしい。
そちらも楽しみだ。
第75位:メメント
クリストファー・ノーラン監督の名を世に知らしめた作品。
とにかく1回観ただけでは途中でわけが解らなくなる。
こういう時間のトリックをつかったノーランマジックは、その後の作品にも引き継がれていて、彼の作品をひきたたせることになる。
ぜひ2回は見てほしい、というか最低2回は見ないとわからない作品。
第74位:王立宇宙軍オネアミスの翼
僕は若者が成長する姿を描く映画が好きだ。
主人公はどこにでもいる特に能力もない無気力な青年だのだが、ある少女との出会いで宇宙飛行士として本格的訓練にいどみはじめる。
この作品はアニメだが、科学的にもしっかり作り込まれているのもいい。
個人的にレシプロ戦闘機の戦闘シーンも好きだ。
第73位:マリアンヌ
映画には「スパイもの」の確固たるジャンルがあるが、その中でも戦争の悲哀をも伝える名作としてこの映画はおすすめ。
監督がロバート・ゼメキスだけに、しっかりと人間の感情描写がななされていて単なるスパイアクションではない魅力がある。
第72位:愛を読むひと
最初は若いツバメをつまみ食いする熟女の話かと勘違いするが、後半になるに連れてシリアスな物語となっていく。
ナチス時代の負の遺産をいまも抱えているドイツという国の一端を垣間見ることができる。
非常に難しい役どころをケイト・ウィンスレットが円熟の演技で見事に演じきるところも見どころだ。
第71位:ジャンヌ・ダルク
ジャンヌ・ダルクを題材にした映画はたくさん存在するが、ミラ・ジョボビッチのジャンヌが一番好きだ。
神がかり的な突進力を見事に演じている。
また、歴史教養的に観るのもいいと思う。
中世ヨーロッパの戦争が、兵士の略奪や強姦といった民間人にとっていかに悲惨なものだったかがわかる。
第70位:トロイ
トロイの木馬の神話を映画化している。
アキレス役のブラッド・ピットがとにかくかっこよくて、動きもキレキレ。
それだけでも観る価値がある。
ただし、歴史教養映画としてはおすすめできない。
ホメロスの『イリアス』やトロイ戦争の伝承とはかなり違った内容となっているからだ。
エンターテイメント作品として観るのがいいだろう。
第69位:マトリックス
このシリーズ3作は単なるSF作品ではない。
ストーリーに哲学的深さがあるし、物語に登場する脳に直接データをインプットするシーンなども衝撃的だった。
そして、映画の表現技術にもワイヤーアクションや被写体をグルッと囲んだカメラで撮影するバレットタイムを導入するなど、革新的な作品でもあった。
ちなみに主演のキアヌ・リーブスは、「スピード」でブレイクし、「マトリックス」で再ブレイクした二枚目俳優だが、非常に気さくな人柄で、来日したときは飲み屋街やラーメン屋に出没する。
一度一緒に飲んでみたいものだ。
第68位:最後の忠臣蔵
僕の映画ランキングではあまり邦画は登場しないのだが、この作品はどうしてもランクインさせずにはおかない映画。
日本の四季の美しさと、武士の切ないまでの潔さ。
日本人としていつの時代になっても観てほしい、無くしたくないものが詰まった作品だ。
第67位:イップ・マン
ブルース・リーの師匠としても有名な詠春拳の葉問(イップ・マン)を描いたカンフー映画。
主演したドニー・イェンは、現在現役カンフースターの中では最高峰ではないかと思っている。
というのは、彼は演じる役に応じて格闘シーンで使う動きを演じ分けることができるのだ。
これがどれほどすごいことか想像つくだろうか。
彼は太極拳からスタートし、北京市業余体育学校(ジェット・リーもここで学んだ)でも武術を訓練しているが、おそらく詠春拳の練習はしたことがないだろう。
しかし、本作品では見事に詠春拳の動きを再現している。
これは驚異的な能力と言っていい。
香港に移り住んでからを描いた続編の「イップ・マン 継承」もいい。
第66位:プロジェクトA
スタントを使わず、体を張ったアクションが売りのジャッキー・チェン。
さすがに最近、とうとうアクション引退宣言をしたが、彼のいちばん油の乗り切ったアクションとユーモアで笑わせてくれる作品を選ぶとしたら「プロジェクトA」だろう。
僕が彼の作品が好きなのは、あまり人が死なないからかもしれない。
つねに楽しい作品づくりなのがいいな。
1954年生まれで御年65歳。
いつまでも元気な姿を見せてほしい。
第65位:七人の侍
僕はそれほど黒澤明監督のファンではないが、この作品だけはランキングしない訳にはいかない。
その理由の一つは面白すぎるからだ。
日本映画にしては珍しくスピード感のある展開で、徐々にシリアスになり、最後は・・・
ちょっと他の邦画にはないかな。
そして2つめの理由が、この作品を含む黒澤作品の映画史上における影響力だ。
ルーカス、コッポラ、スピルバーグなどなど、いったいどれだけの後に世界的な監督となる人達が影響を受けたか。
映画史上の宝であり、日本映画の宝である。
第64位:恋におちたシェイクスピア
ウィリアム・シェイクスピアと貴族の娘ヴァイオラとの許されざる恋を描いた作品。
衣装やセットが絢爛で、特に主演女優のグウィネス・パルトローの美しさが光る。
歴史的に観ると、エリザベス1世の晩年にあたる。
作品中にも最後に女王がお忍びで劇場にやってくるシーンがある。
当時の英国庶民の最大の娯楽が演劇鑑賞で、庶民文化の萌芽を感じさせてくれる作品だ。
第63位:マスター・アンド・コマンダー
ラッセル・クロウがイギリス海軍艦長を演じ、フランス海軍アケロン号との戦いを描く海洋冒険映画。
時代は1805年、フランスはナポレオン時代。
歴史的に観ると、後少し時間が経つとスチームエンジンが搭載される頃なので、大型外洋帆船の最末期を描いている。
当時の洋上生活を描いてくれており、また、木造帆船同志の戦いがどんなものだったかを知ることができる作品だ。
第62位:ブレイブハート
メル・ギブソンが監督主演し、13世紀の末にスコットランド独立のために戦ったウィリアム・ウォレスを描いた作品。
敵役の英国王エドワード1世は模範議会を招集したことが世界史の教科書に登場するため、どちらかというと名君というイメージを持たれるが、実はスコットランド経営には容赦なかった。
そもそも、模範議会を作ったのも、戦費調達のためだった。
ちょっと世界史的なお勉強をしてから観ると、この映画はより一層面白い。
ただ、細かい点で史実と違うところが多々あるので注意されたい。
ちなみに、個人的にはスターリング・ブリッジの戦いでお尻を出して挑発するシーンが好き。
第61位:イミテーション・ゲーム
第2次大戦中、ナチスドイツのエニグマ暗号の解読に成功した数学者、アラン・チューリングを描いた作品。
彼の連合軍勝利とコンピュータの発展に対する功績は言わずもがなだが、後に彼は同性間性行為のかどで訴追され、最終的には自殺した。
LGBT運動が進む今では考えられないことだが、イギリスでさえもつい最近まで同性愛を法で裁いていたのだ。
歴史映画としても価値ある作品である。
第60位:ラストエンペラー
中国新王朝最後の皇帝、愛新覚羅溥儀の生涯を描いた作品。
なんといっても、本物の故宮博物館でロケを行ったことがこの作品を際立たせる。
出演者全員が英語で話すのが違和感があるのだが、それを差し引いても魅力ある作品だ。
音楽を坂本龍一が担当し、アカデミー賞作曲賞を受賞している。
第59位:アレクサンドリア
4世紀のアレキサンドリアに実在した女性天文学者、ヒュパティアを描いた作品。
ちょうどキリスト教の拡大期で、古くからのエジプトの信仰とユダヤ教とキリスト教が入り混じって存在する状態のアレキサンドリアだったが、キリスト教徒から魔女とされたヒュパティアはキリスト教徒に惨殺される。
伝承によると生きたまま牡蠣の殻で身をこそぎ落とされて殺されたという。
多様性を認めない一神教の恐ろしさを考えさせられる作品だ。
第58位:シンドラーのリスト
ホロコースト関連では代表作と言っていい作品。
第2次大戦中、ドイツ占領下にある東欧でオスカー・シンドラーがポーランド系ユダヤ人を自分の経営する工場に雇、収容所送りを阻止して命を救った話を名監督スピルバーグが描く。
オスカー・シンドラーについてはこの映画は美化しすぎだという意見もあるが、史実はどうあれ戦争という狂気を忘れないためにも重要な作品だと思う。
第57位:エリザベス
大英帝国の基礎を築いた名君、エリザベス女王の治世前半を描いた作品。
実は彼女が即位した頃の英国はヨーロッパの中では2流国。
しかも国際情勢は英国が独立を保つには非常に難しい状態。
それを独身の女王であることを武器にして、のらりくらりと時間を稼ぎ、国内産業を振興し、結果、彼女一代で1.2流ぐらいまで引き上げた手腕は名君と言うにふさわしい。
続編の「エリザベス ゴールデン・エイジ」も観てほしい。
当ブログでの紹介記事はこちら
第56位:ネバーエンディング・ストーリー
『モモ』で有名なミヒャエル・エンデ原作のファンタジー作品。
僕は高校生の時にこの作品を見たが、この子供向けのファンタジー作品を撮ったのが「Uボート」のウォルフガング・ペーターゼン監督だと後で知ってびっくりした。
あと、ファルコンと言う名のドラゴンが登場するが、毛がフサフサな上に顔がどうみても犬なのが可愛かった。
第2章もある。
第55位:クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶあっぱれ!戦国大合戦
クレヨンしんちゃんシリーズで一番好きな作品。
クレヨンしんちゃんシリーズで、まさかまさか泣いてしまう。
歴史好きから観てもこれはあなどれない作品で、合戦シーンや攻城戦はかなり史実を検証していると思われる。
ちなみに本作を原作とした実写映画「BALLAD 名もなき恋のうた」もおすすめ。
こちらでは、槍部隊が突くのではなく槍で叩く戦い方をしているが、実はこれが正解。
いやぁ、本当によく調べている。
第54位:ダンス・ウィズ・ウルブズ
1863年、南北戦争で功績を上げたダンバーがサウスダコタ州のセッジウィック砦で自給自足生活を始める。
そのときのスー族のインディアンたちとの交流を描いたのが本作品。
どんどんと圧迫されていくスー族を始めとするネイティブアメリカンたちの状況を描いた社会派の作品の一面があるが、僕にはとにかく開拓前のアメリカの風景が美しく、見入ってしまった。
インディアンを悪者にする伝統的なハリウッドの西部劇から大きく飛躍した作品として映画史に残る名作だ。
歴史的観点から見ても当時のフロンティアの有り様がわかるいい作品だと思う。
第53位:のぼうの城
秀吉の北条征伐の時、最後まで落ちなかった忍城(おしじょう)の攻防をヒントに描かれた作品。
史実ではわからないことが多々あって、あくまでフィクションと言っていい内容の映画なのだが、原作が最初から映画にすることを前提に書かれた小説だけに、こちらも面白い。
日本の時代劇もやればできるんだなと感じさせてくれた作品。
ただし、甲斐姫の投げ技と固め技は玄人が観ると全く効いていない。
その1点だけが残念。
第52位:ラスト・サムライ
これは実はアメリカ映画。
しかし非常にうまく明治初期の日本を描いている好作品だ。
さすがに忍者を登場させたのはまずかったと思うが、トム・クルーズ演じるお雇い外国人はフランス軍事顧問のジュール・ブリュネがモデルだし、反乱事態は西南戦争をモデルにしているのだろう。
ストーリーの要所要所で、明治日本の史実をうまく取り入れて、作品にリアリティを持たせたのが成功要因。
ラストの合戦シーンでは旧武士たちと西洋式軍隊の政府軍の対比がいい!
第51位:硫黄島からの手紙
太平洋戦争の激戦地の一つ、硫黄島の戦いを描いた作品。
クリント・イーストウッドが監督した作品で、アメリカ側から見た「父親たちの星条旗」もセットで見てほしい。
この映画を機に、日本軍の指揮官である栗林中将の評価はいろいろな見方が再噴出したが、この戦いでは日本軍がほぼ全滅してしまうのものの、アメリカ軍の圧倒的戦力を相手に善戦し、死傷者数ではアメリカ軍のほうが日本軍より上回るという結果を残した。
この一点から見ても栗林中将が非凡な指揮官であることがわかるだろう。
また、外国人監督が日本の歴史を描く時によくある日本人から見た違和感が非常に少ない作品で、イーストウッド監督が史実をよく調べていることが伺える。
第50位:日本のいちばん長い日
この映画は日本人として観ておかなければならない映画だと思う。
僕は戦争責任云々を議論するつもりはない。
ただ、昭和天皇が我が身の危険を顧みず終戦の決断を下したことで、数百万将兵・軍属の命が救われ、その人たちが戦後の労働力となって奇跡の復興を果たしたという歴史的事実だけは知ってもらいたい。
もし本土決戦をしていたら、日本も分断統治されたドイツと同じ運命をたどっていただろう。
なお、古い「日本のいちばん長い日」の方がいいという方が結構多い。
僕は観ていないが興味ある方は見比べてみてほしい。
第49位:今を生きる
名優ロビン・ウィリアムズが教師を演じる学園モノ。
この映画公開当時、教師を志していた大学生の僕は多大な影響を受けたものだ。
「私は生きることの真髄を心ゆくまで味わいたい」というソローの一説が登場するが、のちにロビン・ウィリアムズは自分で人生の幕を下ろすことを選んでいる。
名優の早すぎる死が残念でならない。
第48位:最強のふたり
この映画はモデルがいて、事実に基づいて描かれている。
ということを映画の最後で知って本当に驚いた。
とにかく前知識なく観てほしい。
笑い転げて、そして最後にはほっこりしてしまう。
第47位:タイタニック
ジェームズ・キャメロン作品で、かれの映像表現のマイルストーン作品の一つでもある。
先出の「アバター」よりも前の作品で、まだまだCG技術が拙いときに、航行するタイタニックの映像に驚いたものだ。
だが、よく見ると甲板上を歩く乗客の動きが機械的だ。
実写からCGへの過渡期の作品で、後半の沈没するシーンは巨大プールに作られたセットで撮影している。
この映画以後、船の舳先で、両手を広げて「タイタニック!」と叫び、いちゃつくカップルが増えたことは間違いない。
第46位:インセプション
クリストファー・ノーラン作品。
「メメント」が時間のマジックだったのに対して、この作品は意識の階層のマジック。
非常に凝ったシナリオで、視覚効果も独特だ。
渡辺謙も出演し、日本でも撮影さている。
第45位:英国王のスピーチ
イギリス国王ジョージ6世とその吃音治療にあたった言語療法士ライオネル・ローグの史実に基づいた友情物語。
歴史好きなら先出した「ウィンストン・チャーチル」とセットで観ることをおすすめする。
2本とも困難な時代を自らの責務から逃げずに正面から向き合い克服していった人間ドラマとして感動する。
第44位:天空の城ラピュタ
宮崎駿作品なら「天空の城ラピュタ」だろう。
空を飛び、お姫様を少年が助けに行く。
宮崎アニメのすべての要素が詰め込まれた集大成とも言える作品だ。
ちなみに、映画ではないのでこの記事には入れられなかったが、宮崎作品で何が一番好きか? と聞かれたら迷わず「未来少年コナン」と答える。
コナンと言えば名探偵ではない、未来少年だ。
ましてやシュワちゃんの「コナン・ザ・グレート」であるわけがない。
そこは絶対譲らない。
第43位:ルパン三世 カリオストロの城
直近で宮崎作品なら「ラピュタ」だろうとしておきながら、ワンランク上にこの作品を挙げるのはなんだか卑怯な気もするが、ラピュタよりもこっちが好きかも。
キャラが宮崎アニメオリジナルではないので、純粋に宮崎アニメの範疇に入れてないのだ、ということでご容赦願いたい。
個人的に一番最後の銭形警部のセリフは映画史上に残る名台詞だと思う。
ただ、昭和一桁生まれのオッサンがそんなセリフを言うかどうかは別にして。
第42位:パッション
メル・ギブソン監督作品。
パッションとは磔刑のこと。
イエスの最後の12時間を聖書に忠実に再現したこの映画は、これを見たローマ法王をして「これはすべて事実だ」と言わしめたという。
かなりグロテスクなシーンが続くので、観るときは覚悟して観てほしい。
当ブログでの紹介記事はこちら
第41位:リリーのすべて
主演はファンタスティック・ビーストのエディ・レッドメインが難しい役どころを見事に演じている。
世界初の性別適合手術を受けたリリー・エルベの史実をもとに作られており、LGBT運動が盛り上がる昨今話題になった映画だ。
ただし、史実とは結末が違う。
奥さん役が僕が大好きなアリシア・ヴィキャンデル。
「エクス・マキナ」でも好演したが、役どころが幅広い。
第40位:大統領の執事の涙
実在のホワイトハウスの執事をモデルにした作品。
冒頭の南部では黒人を殺しても罪に問われないというシーンに衝撃を受けた。
まだまだ僕らはアメリカの黒人差別の実態を知らないのだ。
本作品は主人公がアイゼンハワー→ケネディ→ジョンソン→ニクソン→フォード→カーター→レーガンと歴代大統領に使えるシーンと同時進行で、息子の姿を通して公民権運動の流れがわかるようにできている。
アメリカの公民権運動の流れをざっくり知るのにもいい映画だ。
当ブログでの紹介記事はこちら
第39位:戦火の馬
原作は小説なので史実ではない。
戦場に出征した主人公ジョーイと彼が育て世話をしていたが軍に徴用された馬のジョーイの物語。
この映画は第1次世界大戦が舞台となるが、物語が進む中で、戦車や毒ガスといった新兵器が次々と登場する。
第1次世界大戦を描いた映画は少ないので、大戦中の兵器や戦い方の移り変わりがわかる貴重な作品だと思う。
もちろん、この作品自体感動的な物語なので、ぜひお子さんと一緒に見てもらいたい。
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第38位:ゼロ・グラビティ
例えばジェームズ・キャメロン監督の「アバター」のように、技術的な面で映画史上に残るターニングポイントとなる作品が数年に一本ぐらい登場する。
この「ゼロ・グラビティ」などはまさにそういう映画だ。
とにかく無重力の表現が素晴らしいうえに、長回しを多用して臨場感がある。
驚くのはその無重力表現がワイヤーアクションのローテクだということだ。
また、宇宙空間での事故にむやみに効果音をつけずに無音でどんどんシャトルが破壊されていく映像が新鮮で、かえって恐怖心を煽った。
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第37位:バードマン
上記の「ゼロ・グラビティ」のカメラスタッフが撮影した、ほぼ一作全編をワンショットで撮ったかのような面白い作りの作品だ。
ストーリーが難解で、特に最後のシーンの解釈は意見が分かれる。
それをさておいても表現方法が面白いので技術的な面を楽しんで観てもらいたい。
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第36位:007
おすすめ映画を100本選ぶときに、007シリーズを外す訳にはいかないだろう。
ボンド役はシリーズの歴史とともに交代しているが、僕が好きなのはダニエル・クレイグだ。
歴代ボンドで唯一まともにアクションができるからというのが理由だ。
それと、彼が出演した3作は、ツッコミどころ満載な珍兵器が登場しない。
体を張ったアクションを全面に出しているというところも僕好みだ。
なお、ダニエル・クレイグは現在007の4作目を撮影中だが、怪我をしたらしい。
大事なければいいが。
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第35位:オデッセイ
火星に一人取り残された宇宙飛行士のサバイバル映画。
とにかく面白い。
この映画を見たら確実にジャガイモが食べたくなる作品だ。
僕は科学に疎いので、実際のところはわからないが、火星でジャガイモを育てることはムリらしい。
ただ、火星移住がもう夢物語でなくなってきている昨今、この映画がSFでなくなる日も近い。
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第34位:シン・ゴジラ
この作品に関してはゴジラシリーズではなく、この一本でノミネートした。
というのも、これは怪獣映画をモチーフにした日本の政府の危機管理の現状を露骨に批判した映画だからだ。
他のゴジラ映画とは一線を画する作品だと考える。
したがって、残念な点でもあるが、主役であるゴジラの暴れるシーンが少なすぎるのが惜しい。
それともう1つは自衛隊にもっと活躍する場面を与えてほしい。
とはいえ、近年稀に見る邦画の快作であることは間違いない。
第33位:ダイ・ハード
ダイ・ハードシリーズは1作目が一番いい。
ブルース・ウィリス演じるマクレーン刑事が、決して超人的に強い主人公ではなく、でも持てる知恵をフルに発揮してテロリストに挑んでいく姿がとても良かった。
アクションものだが、クリスマスに彼女と一緒に観るのをおすすめする。
実は僕は彼女と一緒にクリスマスに観た。
思い出の作品でもある。
第32位:リーサル・ウェポン
刑事モノで好きなのがこの「リーサル・ウェポン」シリーズ。
ちょっとイカれたところがあるメル・ギブソン演じるリッグス刑事と真面目で家族思いなダニー・グローヴァー演じるマータフ部長刑事のコミカルな掛け合いが好きだった。
それとリッグスが住んでいる海岸のトレーラーハウスに憧れた。
アメリカでは同名のテレビドラマシリーズがあるそうだが、僕にとってリーサル・ウェポンといえばこれだ。
第31位:ベン・ハー
もう説明不要の名作だろう。
主人公ベン・ハーの数奇な運命を描く超大作だが、物語のスタートがイスラエルで、チラッチラッとイエスが登場する伏線があるのも手が込んでいる。
古代ローマの街が出てきたり、海戦シーンがあったりと歴史好きにもたまらない作品だ。
映画の技術面でいっても、戦車レースのシーンはCGのない時代にこれだけの映像を撮ったのだから圧巻の一言だ。
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第30位:ロッキー
今でこそ大スターとなったシルベスター・スタローンだが、そのキャリアのスタートがこの作品の脚本を自分で書き、売り込み、そして主演したことに始まったのは有名な話。
チャンピオンのアポロに負けはしたが、最終ラウンドまで戦ったロッキーがその後スターダムにのし上がったのとスタローン自身の人生はダブって見える。
ちなみに、この1作目のスタローンはボクシングの動きがまだまだ下手。
シリーズを続けて観ると、作品を重ねるごとにうまくなっていく姿が見れる。
個人的にはシリーズ1作目がおすすめ。
特に、試合が終わってインタビューされるシーンで、なにを聞いても「エイドリアーン!」としか言わないロッキーが面白かわいい。
第29位:パンズ・ラビリンス
のちに「シェイプ・オブ・ウォーター」でアカデミー賞を取るギレルモ・デル・トロ監督作品。
ファンタジー作品なのだが、現実と空想の世界が徐々に絡み合っていく表現が見事。
多少グロテスクなシーンがあるが、非常にうまい作品である。
第28位:ゴースト・イン・ザ・シェル
日本のマンガ、『攻殻機動隊』が原作の実写版映画。
日本では何年も前にアニメ化されているため、そのイメージが強く、はたして実写化するとどうなのかという懸念はあったが、僕は非常にうまく映画化できていると思う。
この作品では体の一部をサイボーグ化する「義体」や、脳に直接データをやり取りするシーンが登場するが、いずれこういった技術も実用化されるのではないかと思っている。
一つだけ残念だったのは少佐役のスカーレット・ヨハンセンのアクションがちょっと重いことかな。
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第27位:シェイプ・オブ・ウォーター
アカデミー賞4部門、ゴールデングローブ賞2部門受賞作品だが、正直言って賞をとるとは思わなかった。
すごい作品であることは認める。
だからここにランクインしているのだが、非常に微妙なバランスを維持している作品だと言える。
怪獣映画なのですよ、これ。
そして、その半魚人と人間の女性との恋愛映画なんですよ。
なんかね、「そんなことあるか!」というツッコミと「もしかしてあるかも」という納得がギリギリのところで綱引きをして均衡している作品。
監督の狙い通りなのかもしれないが、とにかく怪作であることは間違いない。
ただ、怪獣映画だけど、結構激しい性描写やグロテスクな殺人シーンがあるので子供と一緒に見るのは避けてほしい。
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第26位:ボーン・アイデンティティ
マット・デイモンの人気シリーズ、このシリーズに関しては全作品好き。
というのも、全作品非常にレベルが高いからだ。
ストーリーの面白さとマット・デイモンのアクションのレベルの高さがこのシリーズのクオリティをハイレベルで維持している。
「オデッセイ」ではおしゃべり好きな陽気な宇宙飛行士を演じたが、僕はこのシリーズのシリアスなマット・デイモンのほうが好きだ。
ちなみにマット・デイモンはハーバード大卒の超優秀なやつだって知ってた?
第25位:ロード・オブ・ザ・リング
「ロード・オブ・ザ・リング」に関してはこの3部作とあわせて、前日譚となる「ホビット」シリーズも併せておすすめしたい。
とにかくロケ地のニュージーランドの風景の美しさ、最新のコンピュータ技術を駆使した映像、ストーリーの壮大さなど、なにもかもスケールの大きな作品。
「こういう映画は日本では撮れないよな」とちょっと腹立たしくもある。
ちなみにロードとは「道」ではなく「所有者」のこと。
第24位:セッション
デミアン・チャゼル監督がまだ無名な時に、「ラ・ラ・ランド」を制作するのにお金がないから、「セッション」で話題作りをして(有名になって)資金集めをしてやろうと目論んで作った野心作。
もう体罰上等な圧倒的なパワハラ教師の指導に耐えていくドラマー志望の生徒が、最初こそいじらしく見えるのだが、最後の最後に意外な方向に進んでいく急展開はみごと。
そして見終えた時にどっと疲れが出る作品だ。
心して観るように。
ちなみに日本でこんな指導をしたら即クビだろう。
第23位:エイリアン
御大、リドリー・スコット監督のSFホラー作品。
ご存知の通り、後にシリーズ化されていき、2017年にもこの作品の前日譚となる最新作「コヴェナント」が公開されるなど、長寿作品になっているし、プレデターと戦うような作品まで登場している。
この記事でも何作も登場するリドリー・スコット監督は、歴史ものからSFまで、本当に守備範囲の広い監督だ(評価の方も振れ幅が大きいが)。
1937年生まれの御年81歳。
ますます精力的に創作して、最新作で楽しませていただきたい。
第22位:シザーハンズ
ティム・バートン監督とジョニー・デップがコンビを組んだ作品といえば”チョコレート”よりも”ハサミ”だ。
手がハサミでできているキャラクターをジョニー・デップが見事に演じている。
彼が主演した「ギルバート・グレープ」も名作だったが、やはりこの役者は一種変わったキャラを演じるときに圧倒的に光をはなつように思う。
第21位:レオン
リュック・ベッソン監督が彼の作品にはおなじみのジャン・レノと、まだ子役のころのナタリー・ポートマンを起用して描いた作品。
殺し屋と家族全員を殺された少女とのなんともいえない心の交流と悲しい別れが激しいアクションとともに描かれている。
二人が物まねをするシーンが好き。
第20位:ラ・ラ・ランド
デミアン・チャゼル監督の大人のほろ苦い恋を描いたミュージカル。
当初、エマ・ワトソンをキャスティングしていたらしいが、結果的にはなかなか売れない女優の卵という役はエマ・ストーンで大正解だった。
途中、ジョン・レジェンドも登場して華を添える。
ハッピーエンドで終わらなかったことが、この映画を余計に好きにさせてくれた。
夢追い人にはなにかを犠牲にしなければならない宿命があるのだ。
個人的には約10年ぶりに妻と劇場で観た映画だったので、余計印象深い。
僕はミュージカル嫌いだが、映画館のような閉鎖された暗い場所が苦手な妻がめずらしくみたいと言ったので観ることになった。
もし妻が言わなかったら観ていなかっただろう。
妻に感謝。
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第19位:アリータ バトルエンジェル
アリータ:バトル・エンジェル【DVD化お知らせメール】[blu-ray]
この記事では映画の技術革新の立役者のように書いてしまっているジェームズ・キャメロンが制作を担当した作品。
原作は日本の木城ゆきとのマンガ『銃夢』。
今年公開されたばかりの作品で、しかも今後続編が登場するだろうからまだ全体的な評価はできないが、この作品だけでも十分に興味深い。
傑作となる予感を強く感じる作品だ。
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第18位:グラディエーター
リドリー・スコット監督作品。
史実とはかなり違うし、そもそもラッセル・クロウ演じるマクシムスという将軍は存在しない。
けれど、五賢帝時代最後の頃の、円熟と言うより爛熟した感のローマの雰囲気がよく伝わってくる作品。
この時代以後ローマは長い混乱期にはいっていく。
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第17位:アポロ13
史実のアポロ13号の事故と奇跡の生還を描いた作品。
監督はロン・ハワード。
打ち上げシーンで、上昇していくアポロ13号のいろいろな角度からの映像が映し出されるが、「こんな映像NASAは持っていたんだ!」とCGとは気づかず驚いたのを覚えている。
それほど見事なリアルに感じる映像だった。
なお、トム・ハンクスがジム・ラヴェル船長を演じているが、実はラヴェル船長本人がちらっと出演している。
ぜひ探してみてほしい。
個人的には独身時代に彼女と一緒に見た最後の映画。
その時横にいたのが今の妻だ。
第16位:キングダム・オブ・ヘブン
リドリー・スコット監督の歴史モノの中で一番好きな作品。
第2回十字軍と第3回十字軍の合間、ボードゥアン4世治下のエルサレムを舞台に繰り広げられる歴史絵巻だ。
監督お得意の史実をうまく取り入れつつ脚色した物語で、最大の見せ場はサラディンのエルサレム攻城シーンだろう。
このシーンは歴史好きにとってはたまらない。
ちなみに、ボードゥアン4世はハンセン病だったようだが、映画のように鉄仮面をつけていた記録はない。
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第15位:インディ・ジョーンズ
もう、何も考えずにただただ楽しむといい作品だ。
シリーズのどれもよく練られていてハイレベルなのだが、僕はショーン・コネリーが父親役で出演した「最後の聖戦」が好き。
第14位:グラン・ブルー
僕がリュック・ベッソン監督のファンになる切っ掛けとなったのがこの作品。
話は単純でフリーダイビングの選手たちの友情を描いているのだが、哲学的なところもあり、作品的に深みがある。
主役のモデルはあのジャック・マイヨール(役名も同じ)だ。
ライバル役のエンゾをジャン・レノが演じる(若い!)。
第13位:メッセージ
興行的にはあまり成功した作品とは言えないし、原作の『あなたの人生の物語』とぜんぜん違うと非難もされた。
しかし僕はこれは隠れた名作だと思っている。
紹介記事でも書いたが、上映中、映画館の全員がスクリーンに目が釘付けとなった。
是非自分の目で確かめてみてほしい。
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第12位:ボヘミアン・ラプソディ
リアルタイムでクィーン世代の僕にとっては、涙なくしては見れない作品。
最後のライブエイドシーンはただただ号泣だった。
この作品はミュージック映画にせず、フレディの葛藤を通して人間を描いたことが素晴らしいと思う。
唯一残念だったのは、「I was born to love you」が挿入されていなかったこと。
日本の化粧品メーカーのCMソングだったので、多くの方がこの曲を知っていると思う。
ラストはこの曲でお願いしたかった。
第11位:ハクソーリッジ
メル・ギブソン監督作品。
太平洋戦争中の沖縄戦を舞台にしているが、これは単なる戦争映画ではなく一人の男が信念を貫き通す姿を描いた作品だ。
主人公は志願兵だが、宗教上の理由で武器を手にしない。
結局衛生兵として戦地に赴くわけだが、そこで負傷兵を多数救出し大活躍する。
史実を元にしていると言うから驚いた。
戦争映画としてもハイレベルで、戦闘シーンが凄まじく迫力があり、これほどの肉弾戦を映画で観たことはない。
また、日米双方の軍人の健闘を公平に描いてくれていて、その点でもメル・ギブソンには日本人として感謝する次第だ。
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第10位:ミッション・インポッシブル
「ミッション・インポッシブル」に関してはシリーズ全部を対象にしたい。
このシリーズはトム・クルーズの当たり役なのだが、本当にすごいと思うのは、シリーズが回を増すごとにトム・クルーズのアクションがますます過激になっていくことだ。
もう55歳になるが、毎日6時間トレーニングをしているらしい。
いったいどこまでやるのかというぐらいストイックで、最新作のフォールアウトに至ってはヘリの操縦までやってのけた。
この自分の体を張る姿勢は、ハリウッド版ジャッキーチェンと言っていいだろう。
今後も楽しみ。
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第9位:バック・トゥ・ザ・フューチャー
文句なしに面白い。
タイムマシーンの開発者ドクはデロリアンの燃料となるプルトニウムをテロリストっぽい連中から手に入れたりと今見ると「ちょっとまずいんじゃない?」という設定もあるが、とにかくそんなことは気にせず楽しむのがいい。
家族全員で楽しめる作品だ。
第8位:グレイティスト・ショーマン
19世紀に活躍した実在の興行師、P・T・バーナムを描くミュージカル。
「ラ・ラ・ランド」でミュージカルアレルギーがすっかり治った僕は、この映画にもハマってしまって、観た後すぐにBGMをダウンロードした。
ヒュー・ジャックマンはもともとミュージカルの舞台も経験がある役者だけに歌がうまいのはもちろんだが(レ・ミゼラブルで実証済み)、まさかココまで踊れるとは思っていなかった。
僕と同い年なのに・・・
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第7位:マッド・マックス 怒りのデス・ロード
この作品に関してはシリーズではなくこの作品単品でエントリー。
というのも、メル・ギブソンの旧マッドマックスシリーズとは区別したいからだ。
とにかく僕はこの作品を劇場で見たのだが、その異常な世界観、スピード感にすっかりやられてしまった。
この作品を見てしまったので、これ以後どんな作品を見てもテンポが遅く感じる体質となってしまった。
アクションが好きな人も嫌いな人も騙されたと思って観てほしい。
きっと観終わる頃にはあなたもハマっているだろう。
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第6位:フィールド・オブ・ドリームス
この作品を僕は「男を泣かせる卑怯な作品」と位置づけている。
理由はラストシーンを見てもらえればわかる。
僕は彼女と見に行って、号泣してしまって恥ずかしい思いをした。
ちなみにこの物語では奥さんがとっても素敵。
男だったらだれでもこんな奥さんと結婚したいと思うだろう。
第5位:ダークナイト
「バットマン」に関してはクリストファー・ノーラン監督の3作品を挙げておく。
子供向けではなく、大人の作品に仕上げたのがノーラン監督のお手柄だろう。
なかでもおすすめは圧倒的に「ダークナイト」だ。
戦慄するほどのジョーカーの異常なキレッキレの演技が抜群にいい!
できれば3部作を順番に観ることをおすすめするが、「ダークナイト」だけ単品で観ても大丈夫だ。
第4位:インターステラー
またまたクリストファー・ノーラン監督作品だが彼の作品の中で一番好きなのがこれ。
僕が娘を持つ父親だというのもあるんだけど、ワームホールや大津波の表現がすごすぎ。
本物にこだわる監督で、この作品でもできるだけCGを使わないという姿勢で撮っている。
そこがリアリティをうんでいるのだと思う。
ぜひ大きな画面で観てほしい。
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第3位:プライベート・ライアン
冒頭のノルマンディ上陸作戦のシーンは戦争映画史上に残る名シーンだ。
実際にこの作戦に参加した元兵士がこの映画を見て、「実際こんな感じだった」と言ったほどだ。
3兄弟のうち2人が亡くなって残る一人を帰国させたという例は本当にあるらしいが、一応この映画はフィクション。
しかし、歴史好きにとっては非常に参考になる映画だ。
通訳のアパムがこの映画のキーとなるので、鑑賞するときは彼に注意を向けてほしい。
ちなみにライアン二等兵役はマット・デイモンだ。
第2位:フォレスト・ガンプ
もう何度見たかわからない。
実はこの後1位にする作品を「殿堂入り」か何かにして、フォレスト・ガンプを1位にしたいぐらいだ。
特にベトナム戦争で親友が亡くなるシーン、自暴自棄だったダン隊長がガンプに助けてくれたことを感謝するシーンなどなど、涙なしには観られないシーン満載だ。
と、思いきや、大統領にお尻を見せるシーンなど笑えるシーンも満載。
ジェーンのお墓の前でのセリフ
「僕らには運命があるのか、それとも風に乗ってたださまよってるのか。たぶん両方だろう」
これは哲学的だ。
あと、歴史好きにとっては1950年から80年ぐらいまでのアメリカの雰囲気をざっくり味わうことができる。
第1位:スター・ウォーズ
僕の中で映画ランキング1位はスターウォーズで不動だ。
なかでもどの作品が一番好きかというと、エピソード6だ。
僕が映画好きなのを知った人は決まって「一番好きな作品は?」と聞いてくる。
当然「スターウォーズです」と答えるのだが、実は僕はこの答えをした時の相手の反応で、相手がどの程度映画のことを理解しているか推察している。
というのも、スターウォーズは単なる子供向けのSF映画ではない。
その制作過程で撮影方法やライティングなど、映画の技術進歩に多大な貢献をした作品なのだ。
映画好きな方は僕の答えを聞くと「ですよねー」という納得の表情を浮かべるが、逆に映画を知らない方は「ええ歳してスターウォーズなの?」というバカにした顔をする。
そして僕はバカにした顔を見て、「こいつ映画のこと知らんわ」と心の中でバカにしている(笑)。
性格が悪いのかもしれない。
シリーズを見る順番は、公開順で見るのをオススメする。
時系列的には逆行することになるが、エピソード4、5、6を見てから1、2、3を見ると、撮影やCG技術の進化が感じられて面白い。
問題はエピソード7以後だ。
ご存知の通りスターウォーズシリーズの権利は現在ディズニーが持っている。
スターウォーズの世界観はディズニーの能天気で幸せな世界観(僕はディズニー作品があまり好きではない)とは相容れないものがある。
なので世界中のスターウォーズファンが、作風が変わることを心配した。
しかし心配をよそに、エピソード7は案外いい作品に仕上がっていたし、スピンオフ作品の「ローグワン」「ハン・ソロ」も良かった。
だが、問題はエピソード8で、3部作の真ん中はどうしても中途半端になる難しさがあるにしても、あまりにひどい出来でスターウォーズファンを辞めたくなるほどだった。
今後エピソード9でしっかりフォローされることを期待している。
映画好きな僕が選んだ、令和になっても観てほしいおすすめ映画100選:まとめ
以上が今の段階での僕がおすすめする映画100本だ。
今回100本の映画を選出してみて、あらためて自分の映画の好みがかなり偏っていることに気がついた。
ジャンルだと戦争、アクション、歴史もの。
監督だとリドリー・スコット、リュック・ベッソン、クリストファー・ノーラン、ジェームズ・キャメロン。
役者だとトム・ハンクス。
ついでに好きな女優はアリシア・ヴィキャンデル、そして長澤まさみだ。
まぁ、それもいいと思っている。
映画が好きでたくさん見てきたが、世の中には僕が見ていない映画のほうが圧倒的に多いわけだし、世の中で名作とよばれていても観ていない映画もたくさんある。
ただ、困ったことにこのまとめ記事の作成を始めてからも、これいいなと思う映画と出会ったりしていて、追加したい作品がどんどん増えている。
ひょっとすると、こっそりランキングを変えているかもしれないし、臆面もなくさらに追記していくかもしれない。
そうなったとしてもご容赦願いたい。
いずれにしても、100本の映画を選出し、さらに一本一本にコメントをつけるという作業を僕は甘くみていた。
選出とランキングに1週間、コメントを書くのに12時間かかった。
本当に疲れた。
だけど、このリストを見て、参考にしてくれる人が一人でもいたらとても嬉しい。
そして実際に映画を見たらぜひコメント欄に感想をコメントしてほしい。
それだけで僕はこの記事を書いた甲斐があったというものだ。
あなたの映画ライフが充実したものになることを願っている。